
わずか三日間だけの東京の旅はまたたく間に終わった。華やかな国立劇場の舞台と皇居は生涯忘れることのない良い思い出になった。

これから先、カミさんとどれだけ一緒にでかける旅ができるかわからない。どれだけの時間を一緒に過せるか、喜びを分かち合えるかわからない。そう考えると日一日、時を刻むことの重みや大切さが身にしみる。

カミさんはまた入院生活に入る。退院するまでの間、また僕はしがない独居生活のような義母との二人暮らしをすることになる。

人生に残された時間、できる時にできることを自然体でしよう。カウントダウンで生きる考えはないけれど、時を慈しみながら大切生きたいとは思う。カミさんと共感できる時空を大切に一緒に過したい。

岡山空港に戻った。東京というとてつもなく強い輝きを放つ異空間からやっと自由な田舎の生活に解放された実感が湧く。僕の暮らしは学生時代から永く暮らす、気候温暖なこの地にある。
