米国大統領選挙戦のスーパーチューズデーが終わり、共和党の指名争いはドナルド・トランプ氏、民主党はヒラリー・クリントン氏の優勢が伝えられた。トランプ氏は人種差別や移民排斥など過激発言で物議を醸す実業家だ。単純明快でわかりやすい主張だけど、こういう過激な言動を繰り返す大統領候補を支持する米国民の心中や政治バランス感覚はわからないでもない。
今、米国が抱える多くの政治経済の重要課題、国内外の問題解決に糸口が見えない閉塞感と絶望感の深刻さがどれほどのものかを示しているように思える。軍事や経済面で中国に追い上げられる今の状況は、米国が外交面でも自信を失いつつあるように映る。だから過激発言のトランプ氏が頼もしいヒーローに見えるのだろう。メルティングポットの米国であるとはいえ、WASPが建国し支配する国であることを改めて気付かせてもくれている。
日本に大きな影響のあるアメリカ大統領戦の行方に注視している。