今週金曜日は3.11の東日本大震災の被災から5年目のメモリアルデーだ。ラジオ深夜便「明日へのことば」も連日、3.11関連のゲストが続く。今朝は「悼む人」で直木賞を受賞した作家、天童荒太さんが登場した。最新作「ムーンナイト・ダイバー」のストーリーを絡めながら話が展開した。僕はこの小説をまだ読んでいないけど、被災で海の底に眠る大切な人の遺品探しを依頼されて、立ち入り禁止の海に潜るダイバーの話のようだ。
この世界、今もどこかで悲劇が起きている。そういう現実を前にして人間は無力で何もできないと立ちすくんでしまうけど、天童さんは語る。目の前の人や隣の人に優しく声をかけてあげる小さな善意が連鎖して、連鎖が連鎖を引き起こして遠くで困っている人に救いの手をさしのべることにつながると。
天童さんの人間観に触れた思いがした。3.11メモリアルデーに全国民があらためて東日本大震災の復興の現実に真摯に向き合わなくてはと自戒を込めて思う。