ラジオ深夜便「明日へのことば」で福島の詩人、和合亮一さんの話を聴く。来週、3.11の東日本大震災から丸5年が経つ。和合さんが紹介された被災地の子供の話に胸が熱くなった。
仮設住宅で一緒に暮らすおばあちゃんが毎日嘆き悲しむ姿を見た子供がばあちゃんを元気付けようと、魔法の津波の話をした。いつか魔法の津波がやってきて、また元通りの町や家や畑に戻してくれるから、と・・。
悪魔の津波に破壊された町を今度は魔法の津波がやってきて救ってくれる子供の発想が素晴らしい。被災地の学校では海や津波という言葉は暗黙の禁句となって授業で使えなかったようだ。海という言葉が教科書に出てくると、飛ばして読んだのだとか。それほど畏怖し忌避する単語を、柔軟な発想で明日を託す未来志向の魔法の津波に変えてしまえるのは子供ならではだ。どんな逆境にあっても子供たちには未来が光り輝いている。