五木寛之さんの『孤独のすすめ』(中公新書ラクレ刊)を読み終えた。副題に『人生後半の生き方』と記されているが、「人生最後の季節をおだやかに、ごく自然に現実を認め、愁いをしみじみと味わう」生き方が描かれている。
人生百年時代を迎えつつある中、まず高齢者の自立について述べられている。特に三つのこと、経済的な基盤、健康な肉体と精神の自立。死生観の確立の大切さも説かれていて、宗教の手助けも。
長寿国日本は世界でも例を見ない高齢社会国家の最先端を行く。すでに人口オーナスに突入し、嫌老社会の入口にあって今のままでは「老人階級」とそれ以外の世代との階級闘争の危険すらあると。だから老人主導の高齢者産業を日本の産業の柱に育てて、老人が社会貢献をする嫌老ならぬ賢老という生き方を示されている。色々と考えさせられた。