朝食をとりながらテーブルに置かれた朝日新聞の購読者向け小冊子「スタイルアサヒ」を読む。四万十市で医者をしている小笠原望さんのコラムを毎月楽しみにしている。小笠原さんは土佐市に生まれ、弘前大学医学部に進学し、四国に戻って医者を続けられている。
今号は遠い昔、小笠原さんが弘前大学の受験の時に青森駅で見かけた集団就職の出発の情景を想い起され、津軽での6年間を旅人のような気持ちで体験したと話は展開される。心の優しさがほとばしる文章を面白く読ませてもらった。
そして「今月のことば」に「母の手を離すな 揺れるなら揺れろ」と記されている。青年時代のこころは危ういものだけど、母親との関係が成り立っていれば、心はまた揺れ戻すことができる。激しく揺れても大丈夫だと。
この文章を読んでいたら今は亡き僕の母親のことを想い、あらためて深く感謝した。3人兄弟のなかで末っ子の僕が一番母親に心配をかけた。親不孝ばかり続け、親孝行の真似事すら一切できなかったけど、感謝の気持ちだけは変わらず今も強く持ち続けている。ありがとう、おふくろ。