楽しかった長女夫婦との生活もあっと言う間に過ぎ、出発の朝を迎えた。
早めに朝食を準備し、そそくさと宇部空港へと向かう。
今日、夕刻には成田空港からバンクーバー経由でシアトルに帰るとのこと。
長女は小さい頃から親の想像を超えるような行動をする子だった。
小学6年では学校始まって以来の女子の応援団長をしたり、
高校の時は単身チリに渡り、留学したり、大学受験は岡山大学に合格
した直後にシアトル州立大学に入学したいと言い出したりと、何かと
親の手を焼く子供だった。
わかりやすく言えば、日本の規格?には当てはまらないように
育った子とも言える。
子供の生き方にはあまり口を出さず、なるべく希望に沿うようにしてきた
つもりだが、高校を卒業してから、ずっとシアトル住まいなので、
親子の縁の薄い子ともいえる。とっくにあきらめたつもりだが、
心のどこかに割り切れない気持ちも残っている。
でも、実際には一歩も二歩も引いて、あたたかく見守ってやるしかない。
二人で仲良く、元気で暮らしてくれることを願うだけ。
長女夫婦を見送った後、自宅に戻ると、物音ひとつしない
静かな生活に逆戻りした。しばらく余韻は残るだろうが、
気持は仕事、山、庭モードに切り替えないといけない。
だが、心にぽっかりと穴があいた印象は否めない。
ま、そのうち平常心に戻ることだろう。
長女夫婦としばらく過ごしていたら、自然と英語交じりの
日本語?をしゃべるくせがついてしまった。
これもすぐに戻るだろう。