■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-40 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
管理編 第三章 プロの管理職のための新たなPDCAと活用法 が、新シリーズとしてはじまります。
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か?
正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-40 PDCAを管理の基本として再認識しよう
コンサルティング業務の一環として、PDCAを取り上げることが多々あります。大半の人は、「何で、いまさら、コンサルタントから、PDCAを学ばなければいけないのか」と、内心で思っているのが、手に取るようにわかります。
経営コンサルタントとして現場支援や研修講師として立ったときに、「あなたはPDCAをどの様に説明しますか」と問いかけます。大半の方が、素晴らしい回答をして下さいます。
私は、教科書に書かれているような名解答ではなく、現場で、どの様に利用しているのか、むしろ「迷解答」を期待して、生の声をお聴きしたいのです。
PDCAの活用を、経営コンサルタントとして長年支援してきました。ところが、単にPDCAを知識として知っているだけでは、効果を充分に発揮できないことに気がつきました。
コンサルティング現場では、PDCAの応用利用ができませんと、実務面で効果を発揮したり、高めたりすることがむつかしいのです。
日本におけますPDCAサイクルの原型は、エドワーズ・デミングの師であります、ウォルター・シューハートのPlan-Do-Seeの考え方が基となっています。
第二次世界大戦後、日本の戦後復興の一環として、日本科学技術連盟(日科技連)が、統計的品質管理に関する講演会の講師としてデミングが招かれました。
この講演を聴講しました日科技連の幹部が、PDCAサイクルとして提唱したと言われています。
それが、政府の「加工貿易政策」を成功させるために品質管理を重視するという政策の発端ともなり、日本のQCサークル活動の一環として定着し、それがISO9000を始めとした国際基準にも取り入れられるようになりました。
戦後復興という観点で、当時の通産省が並行してすすめていましたのが、アメリカを参考にした産業復興のための会計士制度とコンサルタントの資格という、それまで日本にはなかった専門家としての職業です。
通産省の勧奨に、産業界も賛同して、日本公認会計士協会と母体を同じくする日本計理士会をベースにして、日本で最初の経営コンサルタント団体が誕生しました。それが日本経営士協会です。
このPDCAサイクルは、品質管理として、製造現場だけではなく、ビジネスの世界にも活用できると考えて、日本経営士協会が、その考え方を経営の分野に取り入れることを提唱し始めました。
ただし、同協会では、ビジネスの世界では、業務が連続していくことが原則ですので、ゴーイングコンサーンという観点から、同じところをグルグル回る「サイクル」ではなく、らせん状になって、さらに拡大すると言うことから、「PDCAスパイラル」という考え方を発展させました。
さらに、後述のようにPDCAスパイラルは、「PDCA+s/a」をという考えと同時に、複合PDCAスパイラルなどの考え方など、PDCAをさらに発展させ、定着させて行きました。
<続く>
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