■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-47 PDCAの「P:計画(Plan)」の実践事例紹介
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か?
正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-47 PDCAの「P:計画(Plan)」の実践事例紹介
「P:計画(Plan)」の重要性が理解できていても、知識として理解しているだけでは、業績は改善も向上もありません。
ここでは、営業部門におけます「P:計画(Plan)」を例としてご紹介します。
別項でご紹介していますように、PDCAのスパイラルアップで成長するためには、「持続」が不可欠です。持続していくためには、残念ながら人間の意識だけでは困難です。
持続をできるほどの意志の強い人達だけではないのが一般的ですので、「使いながら、力を付けていく」というコンセプトの「営業設備」を用います。管理職の視点からみますと「管理設備」ですし、営業パーソンから見ますと「自己管理設備」です。
ここでいいます「設備」とは何かにつきましては、当該項を参照していただくとして、営業設備を具体的に紹介します。
営業活動は、企業により切れ目が異なりますが、大半の企業が年度単位で大きな区切りを付けると思います。すなわち、経営理念や基本経営戦略、中長期経営計画などの上位概念に基づく年度計画を基本とする考え方でご紹介します。
上位概念や部門の年度経営計画・方針に基づき、半期・四半期・月度などの単位に細分化されると思いますが、ここでは「月度」を単位とすることを前提にご紹介します。
部門長は、全社の年度経営計画や部門計画・方針に基づき、月度の計画書を共通目標として、共通認識させ、各自の月度計画書を作成させます。
担当者から提出された計画書は、事前に目を通しておき、双方向コミュニケーションで確認することにより、共通認識を深めます。管理職は、事前準備の一環として、当該担当者の当該月の指導目標を定めておき、担当者の計画書にそれを加味させます。
営業パーソンの計画書は、後述の通り、端なり訪問計画だけではありませんので、管理職は、各項目が、会社や部門、管理職自身の基本方針に沿っているのかどうかという視点でチェックします。
この様な作業を通じて、共通目標を共通認識させ、その中で、管理職が、当該担当者と当該月にどの様な共通行動をとるのかも決めておき、それもまた担当者の計画書に記入させておきます。
多くの営業パーソンが、営業活動だけではなく、いろいろとやらなければならないことがあるのに、「そんなことまでやっていられません」というでしょう。
営業設備は、温かい管理が根底にあり、「蓄積は力」という考えから、日常活動をベースにしたノウハウの蓄積と再活用のための仕組みであることをキチンと理解させることが必要です。
始めは、理解できなくても、設備を使っているうちに、その必要性を体で感じるようになります。吉田松陰が「至誠にして動かざるものは未だこれあらざるなり」といっています。営業パーソンが、設備の価値を体得できないのは、営業パーソンというよりは、管理職自身にとって、まさに松陰の言葉が当てはまるといえます。
その大前提は、管理職自身が、営業設備の必要性・重要性を納得できていることが前提です。
【 注 】 PDCA詳細情報
「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。
ご購入は書店または下記よりamazonで
■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー
あたり前の重要性を知る ←クリック
- 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<経営の心>
- 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<経営編>
- 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<組織編>
- 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<経営者編>
- 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理職編>
- 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<ビジネスパーソン>
■【プロの心構え】 バックナンバー
プロとして、いかに思考すべきか ←クリック