※※※ パステル(はがき大) ※※※
あのとき ひとりだった
ひとりがこんなに不安だということに気づいた
暗がりがこんなに不安だということにも気づいた
車を走らせ いつもとどこか違う街中で
信号がひとつも点いていないことに気づいた
今まで当たり前に通っていた道で
右折できずにいたわたしに
罵声を浴びせていった人がいた
その人の顔が強ばっていて
あぁ、この人も何かしらないけど怖いんだって
わからないこと、何が起きたかわからないことが怖いんだって
テレビも見れず
一体なにが起きているのかとその夜は静かに過ぎていった
後で知った現実
知るということの恐ろしさを味わった
あれから誰にも平等に時は流れた
でも 心の中の時間は人それぞれで
祈ることばも
願うことばも
時のしずくに濡れている
今日
静かに
頭を垂れる
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