わたしのことをMOKAちゃんと呼ぶ長年の友人(仮にくーちゃんと言おう)がいる。年に何回か我が家でMOKA’s ライブラリーと称しておしゃべりや本の貸し借りを楽しんでいる。
今年のゴールデンウィーク、我が家の狭い庭の一角に毎年育つ秋田蕗ではない蕗が収穫できた。この蕗、細くて短いのだが、結構美味しい。しかもゴールデンウィークの辺りが一番美味しい。収穫した蕗を茹でて皮を剥き、水につける。我が家の蕗は長く水にさらさなくてもすぐ食べることができるから重宝だ。ただ皮を剥く作業が面倒で時間がかかるのが玉に瑕。
去年もあげたら「美味しかった」と喜んでくれたので、早速、「食べない?」とラインした。すると「ちょうど今、娘が帰って来てるのよ」と連絡が。去年も「娘が蕗が好きで持って帰りたいと言っていたが、全部食べてしまった」とラインが返ってきたことを思い出した。子供も一緒に来てるらしい。そこで少し多めに持参することにした。
まだ未就学児だったよね~、何歳かな。保育園に行ってるとか聞いたけど。そんなことを考えて、ちょっとお小遣いをあげようと小袋に二千円と二百円を入れていった。
くーちゃんの家に行くと玄関前にちょうど娘さんとお子さんがいて、花ちゃん(わんちゃん)の散歩から帰ってきたくーちゃんと出くわした。蕗をあげると喜んでくれて、さらにお孫さんのDちゃんにお小遣いを渡した。「何歳になったの?」指を四本見せて「四歳!」初めて対面するおばあちゃんにドギマギしてる。
「まだお札を使ったりはしないと思って、100円硬貨を二枚いれたからね」と言うと,キョトンとした顔でわたしを見た。後でくーちゃんがラインをよこした。
「Dちゃん、100円玉二枚しっかり握りしめて買い物に行ったよ。二千円は娘が喜んでいたよ。さすがMOKAちゃんだね、100円硬貨の方がいいってわかってる!」と連絡が。
思った通りの結果に、ちょっと鼻が高いわたしだった(笑) まだお札よりコインだよね。
その日の夕食のときに、くーちゃん宅で、Dちゃんが突然
「あの子の名前なんだっけ?」と訊ねたそうだ。皆が一瞬、あの子って誰のこと?って顔を見合わせたが、わたしのことだとわかったくーちゃんが「MOKAちゃんだよ!」と教えたんだそうだ。
※※※
そんなことがあったゴールデンウィークが過ぎ、お盆も過ぎた頃、くーちゃんからラインが。帰省していた娘家族が向こうに戻るので盛岡駅でお菓子を買ったから取りに来ない? と。そして続けてラインが。
「Dちゃんのお財布に二千円入っていたのをDちゃんのパパが見つけて、『これどうしたの?』 と聞いたら、Dちゃんが『MOKAちゃんから貰ったんだよ』って答えたの。パパが『MOKAちゃんってだれ?』と聞いたら、Dちゃん『友だちだよ!』って答えたから、皆で大笑いした」
あらあ~、Dちゃん、わたしのことお友だちだと思ってくれてたの?
なんて光栄なことでしょ。わたしは最年少4歳のボーイフレンドをゲットしていたのだった・・・
それにしても、二千円使わずに取っていたんだね~ しかもDちゃんのお財布に入れてくれて。娘さん、しっかりお母さんしてるんだなあ。