私の刀は全部鍔の緩みは一切ない。
押しても引いても捻ってもビクともしない。
これは、初心者の頃から師匠からきつく教え伝えられたことである。
金具の緩みは心の緩み。
剣士が使う武具たる刀の金具に緩みがあってはならない。
理由は明白。武具として用を成さなくなるから。
刀を返した時に鍔がカチャカチャ鳴るなどというのは、それだけで
剣士としては論外、と。
それはそうだと思う。
車のタイヤのホイールのネジが緩んだまま走ろうとするなんて、そんな
馬鹿げたことは普通の人ならやらない。
ところが、危険な状態にある現状を分かっているはずなのに緩みを
直さずにそれで走ったり走ることを人に指導しようとしている者が
いたりする。
いかに大ニセモノ、大贋物であることか。
自らそのデタラメぶりをネット公開して悦に入る。
剣技がどうの以前に、存在が危険だ。
危険なことを普及させる動き。これは行為が危険であるのだ。
武具の不備で事故を惹起させる人災を起こす可能性がある不心得は、
伝統武芸とは一切無縁である。