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この白い樹脂の丸棒が
↓ こうなる
ダンパーゴムはTAD純正のゴム
新品を使用しています。
固定方法は、TADオリジナルの
木ネジではなく、キュー本体に
デルリンエンドを咥え込んでネジ
固定で締めたウエイトボルトの
中央部に小ネジでゴムを締め
込む方式。
ゴムの中には平ワッシャーが
仕込まれていてネジにテンション
がかかる仕組みになっています。
そうした尻ゴム作りは手間がかかる
ので、ラムネの栓抜きのような形
をした押し込むだけの尻ゴムが
最近多いのですが、機能としては
あまり良くない。
ゴム自体を硬質化させてゴムに
ネジを切って、キュー本体の内壁
にもネジ切りをしてゴムを回して
締めつけるMezzの方式は手間がかか
っているし、密着固定具合も秀逸
でよく作ってあります。ゴムの材質
もスーパーボール(古い)のよう
な材質ですし。
しかし、ただのゴム押し込み式
のラムネ栓抜きタイプは、緩みと
密着度の不均一性の問題が発生する
ので、打撃を繰り返すキューの端
の構造体としてはあまり良い方法
とはいえません。音の抜けも悪く
なるし、振動処理的にも。
カスタムキューといえども、尻ゴム
をラムネ栓抜き形にするのである
ならば、Mezzのようなねじ込み式
の構造がベストかと。
私のキューのバットエンドの作り
は、外見上はTADで構造はバラブ
シュカやガス・ザンボッティの
エンドキャップとゴム固定の構造
にしてあります。
これは重量設定の問題と、構造的
に強度を持たせる目的から。
外見をTADに似せたロングデルリン
にしてあるのも理由は見かけ上の
事からではなく、目的化した重量
配分の狙いがあるからです。
私の場合は、かなり重たいシャフト
を使いますので、キューバランス
からそのような構造を採択している。
狙ったバランスポイントにして、
かつ、全体重量をシャフトにより
19.2オンス~19.7オンスの範囲に
収める。そのための構造です。
さらに微調整は50円玉や5円玉を
キュー尻内部にセットする(笑)。
私のキューは尻ゴムの出っ張り度
は極力少なく、TADやバラブシュカ
と同じくダンパーの役目のみです。
キューを立てて床に着けた時の
キュー保護の役目のみ。
極度に斜めにキューを立てかけた
り、乱暴に扱っても耐えられるよう
なバンパーゴムとしての役目は
付与していません。
そのあたりのキューの扱い方を
知らないと、ドン!と床にキュー
を叩きつけたりするとバットエンド
が割れて破損したりします。
デルリン®は割れませんが、他の
プラスチック系は簡単に割れる。
キューの尻ゴムはダンパーとも
バンパーとも呼ばれますが、両者
は概念上は区別されるべきもの
かと思います。
なぜカスタムキューの尻ゴムは
出っ張りが少ないのか。
それは意味があるのです。
ハウスキューなどは、もうこれでも
か、という程にゴムが露出してい
ますよね。それと逆の意味です。
デュポン社が開発し、1960年から
製造が開始された革命的樹脂であ
るデルリン®。
オートバイ本体のスライダー、
レーシングライダーのウエア
の膝のスライダーにも使われて
います。
個人的にはビリヤードのキューの
お尻はデルリン®一択(笑)。
これは完全に好みの問題でもあり
ますが、他にも意味があります。
まあ、用途として優れた面がある
ので選択している、という。
デルリンは一般接着剤では接着が
困難ですが、特殊処理をしたら
接着可能となる。
その方法はデュポン社が特許を
取得しています。
デルリンは白や真っ黒の物が
ありますが、個人的には純白の
デルリンが好きかな。
デルリンと称していながら別な
化学樹脂をキューリペアに使っ
ている業者もいますので、要注
意。デルリンはデルリン®のみ
です。材質が化学的に異なります。