田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

「黄金のアフガニスタン」展を観ました

2016年01月18日 | 美術館・博物館

  「黄金のアフガニスタン」展が九州国立博物館で開催されています。この展覧会は国際巡回展で、すでに10か国で展示され170万人が観覧しているそうです。

  電車で行くと太宰府天満宮の側を通り、この入り口から入ります。博物館はこの上にあります。 

 

  長いエスカレーターで上がったら、動く歩道のトンネルを通らなければなりません。ここは壁を青い光が流れていく仕掛けがあり、面白いです。

  

  展覧会の入り口です。雨の平日にもかかわらず、多くの人が来ていました。 

 

  アフガニスタンは文明の十字路といわれているそうです。アレクサンダー大王の東征以後、ギリシア文明の影響を受け、またシルクロードの西端にあるので中国やインドの文物が入ってきました。インターネットで、仏陀を守るヘラクレス像の写真を見たことがあります。その像は破壊されて今は無いそうですが、昔は異文化が共存していたのですね。

 本展では、古代アフガニスタンの4か所の遺跡から出土した230点ほどが展示されています。ヘラクレスやアフロディーテ像やコリント式柱頭があるかと思えば、インドから来た象牙製品など多彩です。

 中でも遊牧民の6人の王族の墓から出土した、多数の金の装飾品が圧巻です。目の前にある小さな金細工が二千年前のものだと思うと何だか不思議な気がしますし、この展覧会を見る価値があります。このコーナーだけで100点以上が展示されています。ポストカードから3点紹介します。

 

 襟飾です。1世紀。 

 

  イルカに乗るキューピット文留金具。1世紀。このイルカには鱗があります。イルカはギリシア神話では神聖な動物とされているそうです。ゲーテの戯曲「ファウスト」には、イルカに乗った人造人間ホムンクルスが登場します。西洋の人にとってイルカは特別な生き物なのですね。

 

  冠。1世紀。 

 

  この展覧会には「守りぬかれたシルクロードの秘宝」というサブタイトルがついています。パンフレットから少し紹介します。

 1979年のソ連軍の侵攻と、それに続く内戦の激化でアフガニスタン国立博物館は甚大な被害を受けます。またその後のタリバン政権下で、偶像崇拝だとして多くの文化財が破壊されました。バーミヤンの大仏が破壊された時の映像は、まだ記憶に新しいですね。

 博物館の収蔵品はすべて失われたと思われていました。しかし博物館員たちは、命がけで貴重な文化財を秘密の場所に隠していました。今回はそれらの文化財が展示されています。混乱の中で多くの文化財が不法に国外に持ち出され、日本にも入ってきたそうです。この機会に、日本に渡ってきた文化財102点が返還されるということです。

 福岡での展覧会は2月14日まで。4月からは東京国立博物館で開催されます。

 

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