稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

No.1(昭和59年5月18日)朝げいこの皆さんへ「一刀流おぼえがき」

2018年01月27日 | 長井長正範士の遺文
朝げいこの皆さんへ「一刀流おぼえがき」

一、まえがき
剣道は練習ではない。稽古である。
ただ練習すればよいと考えているのは誤りである。
即ち剣道を習慣的にやっているだけで何等理論がない。
世の中に理論のないものはない。今までには剣道に教えがない。
ただ漠然として「しっかりやれ」と言うだけだった。
今はそんな時代と違うことに目覚めなければならない。

二、位(くらい)について
位どりは立ち合って初めから優劣を決する要件である。
位は作為的の付焼刃でとってつけ得るものではなく、
その人に備わった気品であり人格の表れである。
剣を学ぶ者は先ず第一に人格を高潔に養い、
これより発露する剣の位を高める事を心がけねばならない。
剣は人格の発露であるから常に格調高い位を志して自ら琢磨すべきである。

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