図:がん細胞はグルコースの取込みと解糖系によるグルコース代謝が亢進して、乳酸産生が増えている(①)。乳酸がイオン化して水素イオン(プロトン、H+)の量が増えるので細胞内のpHは低下する(酸性になる)。細胞内の酸性化は細胞にとって障害になるので、細胞はV型ATPアーゼ(vacuolar ATPase:液胞型ATPアーゼ)やMonocarboxylate transporter(MCT)などの仕組みを . . . 本文を読む
図:クエン酸は柑橘類(レモン、ライムなど)や梅の実に多く含まれる。細胞内でもグルコース(ブドウ糖)や脂肪酸から生成されるアセチルCoAからミトコンドリアのクエン酸回路(TCA回路)で生成されている。クエン酸を多く摂取すると免疫細胞の活性や体の解毒力・治癒力を高めることができる。がん細胞のクエン酸量を増やすと、増殖を抑え細胞死を誘導できる。「クエン酸ががんを消す」ことが最近の研究で明らかになっている . . . 本文を読む
図:ヒストン脱アセチル化酵素によってヒストンのアセチル化が低下するとクロマチンが凝集して遺伝子転写活性は抑制される(①)。ヒストンアセチル基転移酵素によってヒストンがアセチル化されるとクロマチンが緩み、遺伝子転写活性が亢進する(②)。ヒストンのアセチル化されたリシンを認識するブロモドメインの繰り返し配列と特異的末端配列を持つBET(bromodomain and extra-terminal)ファ . . . 本文を読む
図:がん組織から血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などの血管新生を促進する増殖因子が分泌される(①)。VEGFは血管内皮細胞の増殖や血管形成を促進して新生血管を作る(②)。腫瘍組織を養う血管が増えると増殖と転移が促進される(③)。メチオニン・アミノペプチダーゼ-2は内皮細胞の増殖や血管形成において重要な役割を担っている(④)。尿路感染症治療薬として古くから使用されているニトロキソリン(Nitroxo . . . 本文を読む
図:ツヅラフジ科の植物タマサキツヅラフジの根から抽出したアルカロイドのセファランチン (cepharanthine) には、白血球増多作用や口内炎予防、抗炎症、血管新生阻害、がん細胞の増殖抑制、細胞死(アポトーシス)誘導作用などがん治療に役立つ様々な薬効が報告されている。脱毛を防ぎ、育毛を促進する効果もある。抗がん剤治療に積極的に併用して有用と思われる。
655)セファランチンの抗がん . . . 本文を読む