543)がん幹細胞とアルデヒド脱水素酵素

図(上)がん幹細胞は自己複製してがん幹細胞を維持すると同時に、成熟がん細胞を供給してがん組織を構成している。抗がん剤治療に対して、成熟がん細胞が死滅しやすいが、がん幹細胞は様々な機序で抵抗性を示す。がん幹細胞が生き残れば、がんは再燃・再発する。(下)抗がん剤治療を繰り返すと、抗がん剤に抵抗性のがん幹細胞が生き残り、がん幹細胞が増えることによって、さらに抗がん剤抵抗性が増強し、腫瘍は増大する。がん幹 . . . 本文を読む
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542)グリオブラストーマ(膠芽腫)の補完・代替医療:医薬品の再開発と保険適用外使用

図:①グリオブラストーマ(膠芽腫)は手術・放射線・抗がん剤治療が標準治療として行われているが、予後は極めて悪い。グリオブラストーマの増殖や細胞死に関連する様々なメカニズムが代替医療のターゲットになっている。②解糖系の亢進と酸化的リン酸化の抑制というワールブルグ効果に対して、ケトン食、2-デオキシグルコース(2-DG)、ジクロロ酢酸の効果が期待できる。③哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1(mT . . . 本文を読む
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541)乳酸脱水素酵素A(LDHA)と鶏血藤と五倍子とジクロフェナク

図:①がん細胞の多くは酸素を使わない解糖系での糖代謝が亢進している(左の細胞)。②この場合、グルコーストランスポーター(GLUT)から取り込まれたグルコースは解糖系でピルビン酸に変換され、乳酸脱水素酵素A(LDH-A)によってピルビン酸は乳酸に変換される。③乳酸はプロトン(H+)と一緒にモノカルボン酸トランスポーター4(MCT4)によって細胞外に排出される。④がん組織の中にはミトコンドリアで酸素呼 . . . 本文を読む
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540)がん細胞内を酸性化すると増殖が抑制され細胞死が誘導される

図:①炭酸脱水酵素IX(CAIX)は細胞膜に存在し、細胞外の二酸化炭素と水から重炭酸イオン(HCO3-)と水素イオン(H+)に変換する。②細胞外の重炭酸イオンは共輸送体によって細胞内に取り込まれる。③細胞質内の炭酸脱水酵素II(CAII)はミトコンドリアから産生される二酸化炭素を重炭酸イオンと水素イオンに変換する。④V型ATPアーゼ(vacuolar ATPase:液胞型ATPアーゼ)やモノカルボ . . . 本文を読む
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539)超高齢者はがんで死なない(その4):ゾウやクジラはがんが少ない

図:細胞の遺伝子の変異率が同じであれば、体の大きい個体ほど細胞数が多いので、個体当たりの発がん率は高くなると考えられる。しかし、ゾウやクジラは人間やネズミよりもがんの発生率は低い。このパラドックスは英国のリチャード・ピトー(Sir Richard Peto)が約40年前に指摘したので、「ピトーのパラドックス」と呼ばれている。 539)超高齢者はがんで死なない(その4):ゾウやクジラはがんが少ない . . . 本文を読む
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