図:抗がん剤による正常組織のダメージ、栄養不良、がん細胞による組織破壊や炎症、感染症は相互に作用して、体力や抵抗力や治癒力を低下させ、生命予後を悪くする。体重減少や、血液検査での低アルブミン、リンパ球数減少、CRP上昇、好中球数上昇は予後不良の指標となる。CRP/アルブミン比や好中球/リンパ球比など炎症性指標と栄養性指標を組み合せた指数は患者の予後と良く相関するので予後指数として利用されている。
. . . 本文を読む
図:がん細胞は遺伝子異常や栄養飢餓や低酸素や炎症などによって変異タンパク質や折り畳み不全などの異常なタンパク質が増え(①)、小胞体ストレスが亢進している(②)。異常タンパク質はユビキチンが結合して(③)、プロテアソームで分解している(④)。さらに、がん細胞はシャペロンタンパク質を増やすなどの小胞体ストレス応答を亢進して小胞体ストレスを低下させている(⑤)。2−デオキシ-D-グルコース(2-DG)は . . . 本文を読む
図:(左)欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology、ESMO)はがん治療法を評価するツールとして臨床的ベネフィット・スケール・マグニチュード(Magnitude of Clinical Benefit Scale:MCBS)を発表している。ESMO-MCBSは、がん治療薬の治療効果を評価するために設計されており、全生存期間と無増悪生存期間の延長、 . . . 本文を読む
図:抗がん剤によってがん組織や正常組織がダメージを受けると、ダメージを受けた組織は炎症反応が誘発される(①)。マクロファージやリンパ球やがん細胞から炎症性サイトカインが産生される(②)。これらの炎症性サイトカインは肝臓に作用して炎症反応のCRP(C反応性タンパク質)の産生を亢進し(③)、骨髄に作用して白血球増加や貧血を引き起こす(④)。さらに、末梢神経に作用してしびれや疼痛の原因にもなる(⑤)。大 . . . 本文を読む
図:紀元200年頃にまとめられた中国伝統医学の古典の一つの「傷寒論(しょうかんろん)」には、急性感染症に対する治療法が記載されている。この傷寒論に急性胃腸炎に伴う発熱、下痢、腹痛、嘔吐を目標に使用される処方として黄芩湯(黄芩、大棗、甘草、芍薬)と半夏瀉心湯(黄芩、大棗、甘草、人参、半夏、黄連、乾姜)が記載されている。下痢や腹痛や嘔吐の症状は抗がん剤治療の副作用と似ているので、抗がん剤の副作用軽減の . . . 本文を読む