図:がん組織は初めは小さいが(①)、次第に増大して(②)、がんが進行するといずれ死に至る(③)。抗がん剤治療(④)を実施し、完全奏功(⑤)すれば治癒も期待できる(⑥)。しかし多くの場合、腫瘍が一時的に縮小(部分奏功)しても、抗がん剤に耐性を獲得し、がんの再燃が起こる(⑦)。抗がん剤治療後に再増殖したがん細胞は治療抵抗性の性質を獲得し、進行速度も速くなり、性状が悪化している(⑧)。その結果、急速に増 . . . 本文を読む
図:終末期(死亡2〜6か月前)に抗がん剤治療を受けると、救急外来受診や集中治療室入院を受ける頻度が増える。ホスピスケアを受ける機会を失い、自宅など患者が望んだ場所で死亡する割合が少なくなる。終末期の抗がん剤治療は「生活の質」と「死の質」の両方を低下させる。このような結果に、終末期に抗がん剤治療を受ける決断をしたことを後悔する遺族は多い。
873)終末期の抗がん剤治療を後悔する遺族は多い
【抗が . . . 本文を読む
図:がん組織に抗がん剤耐性のがん細胞集団が存在しているとき、抗がん剤感受性のがん細胞は抗がん剤耐性のがん細胞と競合することによって抗がん剤耐性がん細胞の増殖を抑える働きをしている。高用量の抗がん剤投与によって抗がん剤感受性がん細胞が消滅すると、競合状態から解放され、抗がん剤耐性のがん細胞の増殖をむしろ促進する結果となる。
872)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その5): 競合解放によって増殖が . . . 本文を読む