図:がん細胞では、ブドウ糖(グルコース)の取込みと解糖系が亢進している(①)。解糖系の亢進の結果、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化が抑制され、あるいはミトコンドリアDNAの変異などによるミトコンドリア機能の低下による酸化的リン酸化の抑制が解糖系亢進を増強している(②)。解糖系亢進と酸化的リン酸化の抑制により乳酸産生が亢進している(③)。この乳酸産生が細胞のがん化や、がん細胞の悪性進展の促進に関わっ . . . 本文を読む
図:(上)細胞のがん化と悪性進展は、ゲノムDNAの遺伝子変異の蓄積によって引き起こされるという「体細胞突然変異説」が腫瘍生物学の研究者のコンセンサスになっている。しかし、この考えだけでは説明できない研究結果も数多く報告されている。(下)細胞核のゲノムDNAとミトコンドリアDNA(mitDNA)は相互に制御し合っている。酸化的リン酸化に関与する呼吸酵素複合体の85種類のサブユニットのうち13種類のタ . . . 本文を読む
図:ジクロロ酢酸ナトリウムはピルビン酸脱水素酵素を活性化してミトコンドリアでの酸素呼吸を亢進してミトコンドリアの活性酸素種(mtROS)の産生を増やす(①)。ケトン食もミトコンドリア代謝を促進して活性酸素の産生を高める(①)。メトホルミンは呼吸酵素複合体を阻害して、ATPの産生を減少させ、かつ活性酸素の産生を増やす(②)。ドキシサイクリンはミトコンドリアのリボソームを阻害してミトコンドリア由来のタ . . . 本文を読む
図:がん細胞は組織因子などの血液凝固を促進する因子を産生して血液凝固因子を活性化する(①)。がん組織内の活性化した血小板や白血球や血管皮細胞は組織因子や炎症性サイトカインを産生して(②)、血液凝固因子を活性化する(③)。抗がん剤治療も炎症性サイトカインの産生を亢進する(④)。抗がん剤治療はがん組織や正常組織に炎症を引き起こして凝固因子を活性化する(⑤)。抗がん剤は血管内皮細胞などにダメージを与え、 . . . 本文を読む