(5)がん治療における視点の違い

西洋医学はがん細胞をターゲットとするのに対して、東洋医学では生体全体を対象とします。時々刻々と変化する生体の失調に対処し、生体の治癒力を引き出せる状態にもっていこうというのが、漢方のオーダーメイド医療の基本です。これを達成できるのは、「体の虚を補う」ノウハウを長い臨床経験の中で蓄積し、複数の生薬を組み合わせて体調や病状に会ったオーダーメイドの薬を作ることができるからです。東洋医学的方法論は、西洋医学の手段とは別の次元で働き、お互いに助けあうべき関係にあるのです。 . . . 本文を読む
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(4)天然薬の複合効果で効き目を高める漢方

漢方では、複数の天然薬(生薬)を組み合わせることによって、薬効を高める方法を求めてきました。漢方治療では、一種類の生薬だけを使用することは稀で、多くは病気の状態に合わせて複数の生薬が組み合わせて処方されます。これによって複雑な病態や症状に対処でき、また効果をより高め、かつ副作用をより少なくすることができるのです。漢方薬は、病気の種類や症状や体質に合わせて、それに合うように複数の薬草を組み合わせて使うというところに、民間薬や健康食品との大きな違いがあります。つまり、オーダーメイドの薬の処方を行うという点が、漢方薬の特徴なのです。 . . . 本文を読む
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(3)気・血・水を調和して治癒力を高める漢方

漢方医学では自然治癒力を気・血・水で考えます。気は生命のエネルギーであり、自然治癒力の物質的基礎である血・水を動かす原動力となります。気血水が過不足なくバランスがとれて循環が良好な状態(正気の充実)では、自然治癒力が十分に働いて病気の原因(邪気)に抵抗することができるのです。がんの漢方治療では、体の治癒力を高めることを重視しています。 . . . 本文を読む
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(2)がんに対する自然治癒力は存在する

私達にはがんに対する自然治癒力が備わっています。体に備わった恒常性維持機能、生体防御機能、抗酸化・解毒機能、修復・再生機能が、がん細胞の発生や増殖を抑える自然治癒力(抗がん力)の基礎になっています。自然治癒力を十分に高める方法は「がんとの共存」や「がんの自然退縮」を可能にします。漢方では、体の抵抗力と自然治癒力を高めるための理論と手段を持っています。これが西洋医学のがん治療を漢方治療が補うことができる理由です。 . . . 本文を読む
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(1)がん治療における漢方治療の存在意義

がんの標準治療(手術、抗がん剤、放射線)は体力や免疫力や治癒力を低下させます。漢方治療は「治療に耐えられる体力づくり」と「回復力や治癒力や免疫力の増強」によって標準治療をサポートします。現代西洋医学と漢方医学では、治療法や薬に対する考え方に根本的な違いがありますが、両者の考え方の違いを、「お互いに相容れない」と考えるのではなく、「相互に補完しあえる」ととらえることが大切です。 . . . 本文を読む
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