図:炎症細胞から産生されるIL-6は受容体を介してSTAT3を活性化し(①)、低酸素誘導因子-1(HIF-1)の転写を亢進する(②)。増殖因子や成長因子によるシグナルはPI3K/Aktシグナル伝達系を介してmTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)を活性化する(③)。mTORC1はリボソームの生合成を促進するS6Kをリン酸化して活性化して蛋白質合成を促進し、HIF-1タンパク質の産生 . . . 本文を読む
図:正常組織は動脈と静脈と毛細血管が整然とした血管網を形成し、組織全体に血液が均一に行き渡っている(①)。一方、がん組織では血管網が不完全で、血液が十分に行き渡っていない低酸素領域が多く存在する(②)。血管から離れた領域のがん細胞は高度に低酸素になっている(③)。低酸素のがん細胞は浸潤性や転移能を亢進し、細胞死(アポトーシス)に抵抗性になり、放射線や抗がん剤に対する感受性が低下する。さらに、解糖系 . . . 本文を読む
図:転写共役因子のYAPは様々な遺伝子の発現を誘導して、細胞のサイズ、増殖、生存、分化などを制御している(①)。YAPはHippo経路で負に制御されているが(②)、その他多くのシグナル伝達系で、正あるいは負に制御されている(③)。グラフは膵臓がん患者の生存曲線を示す(④)。YAPの発現が低値の患者は生存率が高いが(⑤)、YAPの発現が高い患者は生存期間が短い(⑥)。したがって、膵臓がんの治療にYA . . . 本文を読む
図: Hippo経路はYAP/TAZの核内移行を阻止している(①)。Hippo経路が不活性化されると、YAP/TAZは核内に蓄積し、TEADと相互作用して、YAP/TAZのターゲット遺伝子の発現を誘導する(②)。その結果、がん細胞の増殖や転移が促進される(③)。低分子量Gタンパク質の一種のRhoはYAP/TAZを活性化する(④)。RhoがGTP結合型の活性型に変換されるには、Rhoがゲラニルゲラニ . . . 本文を読む
図:女性ホルモンのエストロゲンは肺がん細胞の増殖・転移を促進する。エストロゲン(E2)はエストロゲン受容体(ER)と細胞質内で結合し(①)、二量体を形成して(②)、核内に移行し、遺伝子のエストロゲン応答エレメント(ERE)に結合して(③)、エストロゲン依存性の遺伝子発現を促進する。また、エストロゲンが結合したエストロゲン受容体(ER)は上皮成長因子受容体(EGFR)を活性化し(④)、細胞増殖を促進 . . . 本文を読む