図:クエン酸回路(TCA回路)の産物であるクエン酸は解糖系のホスホフルクトキナーゼをフィードバック阻害する作用がある。したがって、食事や飲料として多量のクエン酸を摂取するとホスホフルクトキナーゼ活性の阻害によって解糖系を抑制できる。2−デオキシグルコース(2-DG)はヘキソキナーゼを阻害するので、この2つ(クエン酸の大量摂取と2-DGの摂取)の組合せは解糖系を効果的に阻害できる。ジクロ . . . 本文を読む
図:3-ブロモピルビン酸はピルビン酸に臭素(Br)がついた物質で、解糖系酵素のヘキソキナーゼとグリセルアルデヒド-3リン酸デヒドロゲナーゼにピルビン酸を結合させて酵素活性を阻害する作用がある。がん細胞で多く発現しているMonocarboxylate transporter-1(MCT1)から3-ブロモピルビン酸は取り込まれるので、がん細胞に多く取り込まれる。取り込まれた3−ブロモピルビ . . . 本文を読む
図:グルコース(ブドウ糖)はがん細胞のエネルギー産生と細胞構成成分(核酸や脂肪酸など)の材料になるので、がん細胞ではグルコースの取込みと解糖系やペントース・リン酸経路の代謝が亢進している。がん細胞におけるグルコースの取込みや解糖系を阻害する方法はがん細胞の増殖を抑制し死滅させることができる。図の緑の文字(赤枠と黄色の背景)で示した糖質制限、2-デオキシグルコース(2-DG)、3-ブロモピルビン酸、 . . . 本文を読む
図:①細胞内ではミトコンドリアで酸素を使ってATP産生を行うときに活性酸素が発生し、炎症があると炎症細胞から活性酸素が発生する。このようにして産生された活性酸素は細胞に酸化傷害を引き起こすが、細胞内には活性酸素を消去する抗酸化物質や抗酸化酵素による抗酸化力が存在し、酸化還元のバランスを維持することによって酸化傷害の発生を防いでいる。活性酸素種の量と抗酸化力の差が酸化ストレスとなる。細胞内には、酸化 . . . 本文を読む