図:長い歴史の中での臨床経験の積重ねで発展してきた漢方理論や、多くの天然薬草(生薬)をくみあわせる漢方薬の作用機序を、細胞や遺伝子レベルで説明することは現代の科学のレベルでは困難である。したがって、「薬効成分や作用機序を科学的に証明しなければ正式の医療として認められない」という意見は適切ではない。73)漢方は非科学的か(2)【西洋医学が漢方治療や統合医療を拒否する理由】がん細胞を攻撃する西洋医学の . . . 本文を読む
図:桂枝茯苓丸と当帰芍薬散を構成する生薬。桂枝茯苓丸と当帰芍薬散はエストロゲン作用を持たずに、更年期障害の諸症状を緩和する効果がある。72)乳がん治療に伴う更年期障害を緩和する漢方治療【乳がん治療に伴う更年期障害】閉経前の乳がん患者がホルモン療法を受けている場合には、エストロゲン作用の消失によって更年期障害と同じような症状がでます。また、抗がん剤治療によって卵巣機能が障害されて閉経になり、更年期障 . . . 本文を読む
図:李東垣がまとめた内外傷弁惑論(1247年)に記載された「当帰補血湯」は黄耆と当帰が5:1で組み合わされている。その分量の比率の妥当性が科学的に実証されている。71)当帰補血湯における「黄耆:当帰=5:1」の秘密当帰補血湯(Danggui Buxue Tang)は、黄耆(おうぎ:Radix Astragali)と当帰(とうき:Angelicae Sinensis)の2つの生薬から構成される極めて . . . 本文を読む
図:がんの進行やがん治療によって体力の消耗(気虚)や貧血・栄養状態の悪化(血虚)が進行すると代謝の低下や体の冷え(陽虚)が起こる。体の冷えは、血液や体液の循環を悪化させ、さらに臓器・組織の活動や新陳代謝を低下させる。この悪循環を断ち切るには、駆お血薬や利水薬や補陽薬などを適切に組み合わせることが必要。70)冷えは抗がん力を低下させる【がん患者さんは冷え症の人が多い】「冷え」とは、抹消の血管が収縮し . . . 本文を読む