図:リボソームで作られた蛋白質は、小胞体で修飾を受けて高次構造(折り畳み)を形成し、さらにゴルジ体で糖鎖の結合などによって成熟蛋白質となって細胞外へ搬出、あるいは細胞内で利用される。低酸素やグルコース枯渇や栄養飢餓状態が起こると、折り畳みに異常をきたした不良蛋白質が小胞体に蓄積する。これを『小胞体ストレス』という。小胞体ストレスに対して細胞はGRP78などのシャペロン蛋白の発現が亢進して小胞体スト . . . 本文を読む
図:がん細胞は車で例えると「アクセルとブレーキが故障して暴走する車」のようなものである。がん遺伝子の活性化は「アクセルを踏み続けた状態」であり、がん抑制遺伝子が働かないのは「ブレーキが壊れた状態」と同じ。このような暴走車を止める手段として燃料タンクから燃料を抜いたり、エンジンを制御する電位系統を止めるなどの方法もある。がん治療においても、がん細胞の燃料であるグルコースを枯渇したり、がん細胞のエネル . . . 本文を読む
図:中性脂肪(トリグリセリド)は脂肪分解酵素(リパーゼ)の働きでグリセロールと脂肪酸に分解され、脂肪酸は細胞のミトコンドリア内でβ酸化を受けてアセチルCoAが産生され、このアセチルCoAがTCA回路(クエン酸回路)で代謝されてエネルギー(ATP)を産生する。飢餓状態などグルコースが枯渇した状態では、脂肪酸の分解が亢進し、肝細胞のミトコンドリアでは、過剰に産生されたアセチルCoAの一部はア . . . 本文を読む
図:グルコース(ブドウ糖)とインスリンは直接的にがん細胞の増殖を促進する作用を持つ。さらに、高インスリン血症はインスリン様成長因子を介して増殖や転移や抗がん剤抵抗性を促進する。インスリンおよびインスリン様成長因子はそれらの受容体に結合することによって受容体のチロシンキナーゼ・ドメインをリン酸化し、細胞内シグナル伝達系のRas/Raf/MAPK経路とPI3K/AKT/mTOR経路を活性化する。カロリ . . . 本文を読む