538)超高齢者はがんで死なない(その3):90歳代以降はがん発生率が低下する

図:がんの発生率は80歳代をピークにして90歳代以降は急速に減少する。90歳以上で発がん率が減少する理由として2つのメカニズムが考えられる。①老化やがんに対する抵抗力の高い人や、老化やがんが起こりにくい遺伝的体質をもった人が100歳を超えるような超高齢まで生存できるため、超高齢者ではがんが少ない。②80〜90歳以上になると発がん促進要因(炎症応答、成長因子、ホルモンなど)が減少するために、超高齢者 . . . 本文を読む
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537)超高齢者はがんで死なない(その2):がんになるのは運が悪いのか

図:基本的に全てのがんは環境と遺伝と不運な偶然(DNA複製時のエラー)によって引き起こされる。「組織幹細胞の遺伝子変異の蓄積」によってがん細胞が発生する。この遺伝子変異の発生において、内因性(DNA複製時のエラー)と外因性(喫煙や放射線などの発がん物質による遺伝子変異や親から受け継いだ遺伝的要因)の発がん因子のうちどちらの寄与が大きいかという点が議論されている。前者の内因性(DNA複製時のエラー) . . . 本文を読む
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536)超高齢者はがんにならない(その1):抗老化とがん予防の共通のメカニズム

図:寿命(生まれてから死ぬまでの時間)には限界がある。人間の最大寿命(生理的寿命、限界寿命)は120歳前後と言われている。公衆衛生や栄養状態の改善や、医療の進歩によって若年での死亡を減らせば平均寿命を延ばすことができる。しかし、この場合は最大寿命を延ばすことはできない(A)。老化速度を遅延できれば、平均寿命と最大寿命の両方を延長できる(B)。老化抑制と発がん抑制の共通のメカニズムを理解すると、がん . . . 本文を読む
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535)ビタミンD3とレチノイドとラパマイシンとメトホルミンの相乗効果

図:①インスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)などの増殖刺激はPI3K/Akt/mTORC1シグナル伝達系を活性化する。②活性化したmTORC1はたんぱく質や脂肪酸の合成を亢進し、がん細胞の増殖や浸潤や転移を促進し、抗がん剤抵抗性を亢進し、オートファジーを抑制する。③ラパマイシンはmTORC1の活性を直接阻害する。④ビタミンD3はビタミンD受容体を介する遺伝子転写活性によってDDIT4( . . . 本文を読む
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