図:食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」に大別される。不溶性食物繊維は便の量を増やし、大腸運動を促進して、二次胆汁酸や食品中の発がん物質と腸粘膜との接触を阻止して大腸がんの発生を予防する作用がある。一方、水溶性食物繊維は、食品中のコレステロールの吸収を抑制したり、食後の血糖値の急激な上昇を抑制する作用がある。さらに、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内細菌によって発酵され、乳酸や短鎖脂肪酸( . . . 本文を読む
図:超低糖質と高脂肪の食事でケトン体の産生を高めるケトン食と、大腸内での短鎖脂肪酸の産生を増やす食物繊維の多い食事(高食物繊維食)は、抗がん作用において相乗効果が期待できる。ケトン体と短鎖脂肪酸はミトコンドリアで分解されてATP産生に使われるが、糖質摂取を避けることによってインスリン分泌を刺激しないエネルギー産生源となる。ケトン体のβ-ヒドロキシ酪酸と短鎖脂肪酸の酪酸はともにヒストン脱ア . . . 本文を読む
図:絶食によって栄養飢餓の状態になると、正常細胞は栄養飢餓に適応するために細胞分裂を停止しストレス抵抗性を高めるように応答する。この状態(細胞分裂停止とストレス抵抗性増強)は、正常細胞を抗がん剤や放射線による細胞傷害から守る方向で作用する。一方、遺伝子異常などによって増殖シグナルが常に活性化しているがん細胞では、絶食しても増殖シグナルは抑制されず細胞分裂は継続されるので、抗がん剤や放射線に対する感 . . . 本文を読む
図:インスリンやインスリン様成長因子-1(IGF-1)や豊富な食物や炎症性サイトカインなど様々な増殖刺激によってPI3K/Aktシグナル伝達系が活性化されるとFOXO(Forkhead box O)という転写因子の活性が抑制される。FOXO転写因子が活性化されると酸化ストレスが軽減し、細胞老化が抑制される。Aktの活性化はmTORC1を活性化して蛋白質や脂質の合成を促進し個体の成長や成熟を促進し、 . . . 本文を読む