図:がん患者の多くは「瘀血(おけつ)」の病証を持っている。血行を促進して瘀血を解消する治法を「活血化瘀法」という。活血化瘀法は、駆瘀血薬(活血化瘀薬)によって血液の浄化や組織の血液循環を良くすると同時に、瘀血を引き起こしている原因に応じて、補気薬や理気薬、補陽薬、補血薬、清熱解毒薬などを併用する。それぞれの生薬の薬性や薬効の特徴を理解して、患者の病状や症状に応じて適切に用いると、がん患者の症状や病 . . . 本文を読む
図:がん細胞では嫌気性解糖系が亢進し、ミトコンドリアでのTCA回路(クエン酸回路)が低下している。さらにTCA回路で作られるクエン酸から脂肪酸合成の経路が亢進しているので、さらにTCA回路は回らなくなっている。クエン酸から脂肪合成を行うATPクエン酸リアーゼを阻害すると、脂肪の合成を阻害し、がん細胞の増殖を抑えることができる。熱帯植物ガルシニア・カンボジアの果実に多く含まれる(-)ヒドロキシクエン . . . 本文を読む
図:乳酸脱水素酵素(LDH)は嫌気性解糖系の最終段階であるピルビン酸 ⇔ 乳酸の反応を触媒する酵素。がん細胞のLDHを阻害すると、エネルギー産生が低下し、死にやすくなり、抗がん剤感受性が高くなることが報告されている。抗がん生薬の半枝連が嫌気性解糖系を阻害することが報告されている。ピルビン酸脱水素酵素の活性を高めるジクロロ酢酸ナトリウム(DCA)やαリポ酸、酸化的リン酸化を活性化するカフェインと併用 . . . 本文を読む
図:細胞は血中のグルコース(ブドウ糖)を取り入れ、解糖系、TCA回路、電子伝達系における酸化的リン酸化系を経て、エネルギー(ATP)を産生している。オットー・ワールブルグ博士は、がん細胞では酸素が十分に利用できる場合でも嫌気性解糖系でのエネルギー産生が主体であることを発見した。正常細胞とがん細胞のエネルギー産生の違いを利用すると、正常細胞を元気にして、同時にがん細胞を死滅させることができる。
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