恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

17.男のロマンス

2009年09月20日 | 秋の物語
 車の助手席に座っている君が窓を開け、外の景色を見ながら呟くように言った。
 「私たち今日で別れましょう。」ハンドルを握っている手に力が入る。こんな日が来る事は、分かっていた。
 「それで君は、満足なのか。」何か言いたい事が沢山あったが、言葉が出てこなかった。
 「私は満足だよ。今、好きな人がいるの。」君は、俺の方を見ないように言った。見たら気分が変わるとでも言うのか。せめて、少しだけでも俺の方を見てくれ。
 「君が幸せになるんだったら、俺も応援するよ。君を好きにさせるくらいの男なら、間違いないと思うよ。」外の景色が流れていく。秋の風が車の中に入って、逃げていく。
 それから、君は家に着くまでずっと黙っていた。沈黙という箱に入っているように抜け出せない様子だった。
 「それじゃ。」君は急いで車から降りると、再び何かを忘れたかのように助手席に戻り、バックミラーの前で、最後のキスを交わした。
 強気の君が最後に涙を見せるなんて君らしくもない。
 これが最後の別れになるんだろう。
 俺よりもいい男に出会ったんだね。きっとその男が幸せにしてくれるだろう。
 だって、君が選んだ男なんだから。
 車の中で、歯を食いしばっている自分自信に苛立った。
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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます。 (キーボー)
2009-12-29 20:43:36
モテル女心さんコメントありがとうございます。
最近忙しくて書いてませんが、何とかまた書いていきますので、また読んでくれたら嬉しいです。
返信する
良いですね。 (モテる女心)
2009-12-29 03:24:11
詩的で面白いブログですね。
また今度のぞきに来させて頂きます。

また更新頑張ってください。

ありがとうございました!
返信する

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