ネイチャリングテクノロジーで、INAXが住宅用外壁タイルを開発
カタツムリの殻に着目し、汚れない外壁を商品化
生物の機能をヒントに、製品を開発するネイチャーテクノロジーが盛んだ。INAXはカタツムリの殻に着目し、汚れない外壁を開発している。
同社が、「外壁は汚れるもの」という常識を覆すために参考にしたのが、カタツムリの殻だそうだ。カタツムリは湿気が多く、土やカビなどが付着しやすい環境にいるにもかかわらず、いつも殻の表面はきれいなことに着目し、その理由を解明しようとカタツムを観察し、殻自体に汚れを取り除く仕組みがあるという仮説を立て、研究を始めたとのこと。
その結果、殻には数百ナノメートル間隔での溝があり、その溝に常に水がたまる仕組みがあることが分かった。そこに汚れの主成分である油を垂らしてみると、水と反発し合う性質から、油は弾かれる。その浮いている油にさらに水をかけると、油は水と一緒に流れ落ちることが分かった。つまり、雨が触れは汚れが簡単に落ちるのだそうだ。
INAXは、この仕組みを外壁に生かそうと試み、食品や化粧品に添加されているシリカ(二酸化ケイ素)を外壁に塗ると、空気中の水分と強く結びつき、壁の表面に水分子幕を形成することが分かり、この技術の精度を高めることで、雨が降ると自動的に汚れを取り除く外壁を商品化することが出来たそうです。
自然界というか、生物の不思議というか、これを知り尽くすことで、ビジネスの目は色々と発見できるのではとの、夢を持たせる事例です。
かごしま企業家交流 協会
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