クラウドが社会をも変える。
農業、医療、エネルギーなど社会的な課題解決の手段になる。
今、日本社会は、様々な課題に直面している。クラウドは企業だけではなく、経営の効率化に苦しんでいる農業、災害対策や地域医療の連携に苦心している医療、電力不足など、これらの社会的な課題の解決策としても注目をされてきているようだ。
例えば、農業。今や農家の高齢化と減少、食料の自給率は低下、農作物の輸入自由化など、日本農業は多くの難問を抱え今や大きな政治課題である。
そのために、農業の法人化が進み、今や1万6千~1万8千あると言われる農業法人。ほとんどが数十人以下の零細規模で、多くは厳しい経営環境に置かれており、ITの導入はあまり進んでいないと言われる。
こういう中、農業支援の一環として、少ないコストで、クラウドを使って農業分野のIT化を推進する「農業クラウド」が注目を集めている。宮崎県都城市にあるキャベツなど野菜の栽培を手掛ける農業法人「新福青果」では、富士通が開発した計器ボックスが取り付けられた実験装置が農場の各所に設置されている。
畑に埋め込まれたセンサーでは、地中の温度や水分、気温、湿度、降水量などを計測し、ウェブカメラで撮影された映像とともに、富士通がクラウド上に構築した監視システムにデーターを送り、農作物の変化や害虫などを映像で監視すると共に、土の中でも数値で「見える化」している。
要は、ベテラン農家の農業技術・経営のノウハウをデータとして蓄積し、更にシステムでは野菜の販売計画や週単位、長期の生産計画を作成し、詳細を農作業のスケジュールに落とし込み、「蓄積したノウハウを、誰でも利用できるようにする。」ものだそうだ。
クラウドを農業全体で有用にものにするには、より大規模にデータを収集し、多くのノウハウを蓄積する必要があるが、確実にその方向への実験が始まっている。
クラウドが農業を変え、医療やエネルギーを変え、社会を変える時代が確実に来るのではないだろうか。
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