よかど!鹿児島

企業家交流協会のモノづくり、人づくり、地域づくりのための支援活動や鹿児島の魅力などについて情報提供していきます。

講演会開催①/関西・東海地区での活動(51)

2011-11-30 08:43:56 | 関西・東海地区での活動

日本のモノづくりは負けない。

~東日本大震災を乗り越えるニッポンのエコ技術力~ 

標記は11月28日に産業タイムズ社の泉谷 渉社長に大阪で講演を戴いた時のタイトルと副題である。

今回で3回目だが、毎年聞き応えがあると、会員企業の社長さん方に評価が高いので、年1回公演をお願いしています。今年は、3月11日の東日本大震災で日本が大被害を蒙ったので、企業は大変な状況下にあるが、その中でも、ニッポンのエコ技術力は、素晴らしいことを力強く講演戴いたので、まず同氏の講演資料の冒頭を紹介したい

①2011年3月11日午後2時46分、史上最大級のM9.0という巨大地震が東北沿岸および東日本を襲った。電子機器・エレクトロニクス産業に与える影響は甚大であり、深刻である。日本全体のGDPも2011年はマイナス成長が予想されており、リーマンショックに続く大激震が日本列島全体を襲った。
 
②東北エリアは工場出荷の生産額でいえば、日本全体の5~6%程度。ところが、被害の大きかったルネサスは自動車向け半導体で世界ナンバーワンであり、デジタルカメラ向けシステムLSIにおいても世界トップシェア。これが世界の工業生産に影響を与えた。
 
③材料面で与える影響も大きい。半導体の最も重要な材料であるシリコンウエハーについては、日本勢の持つ世界シェアは実に70%、復旧のめどが立たない信越化学の福島県白河工場はおどろくなかれ、世界のウエハーの1/5を作っている工場。このため、世界の半導体メーカーの投資計画に影響。宮城県栗原市の倉元製作所は、ちゃっちい町工場に毛の生えたような企業であるが、世界のポリシリコン液晶に使われるITO膜の製造については高いシェア。旭硝子の研磨も30%担当。倉元がめちゃくちゃにやられたので、スマートフォンの生産計画に狂いが生じる。
 
④しかし、今回の大地震は、映像を通じて世界中の人たちにニッポンの強さを見せつけた。あれだけの被害にあっても暴動、レイプ、打ちこわしなどの犯罪はほとんど起きておらず、外国にとっては超サプライズ。モラルの高い国として、評価を受けるだけでなく、耐震設計の素晴らしさ、建材などの素材の素晴らしさを世界にアピールした。武士道精神をもつフクシマ50の活躍は世界のメディアを唸らせた。

海外で「ふくしま50」が、そこまで評価されているとは知りませんでした。日本人はもっと自信と誇りを持つべきですね。

次回から、数回講演の要旨を紹介します。お楽しみに。

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大阪で講演会開催/関西・東海地区での活動(50)

2011-11-29 08:42:48 | 関西・東海地区での活動

平成23年度第2回講演会及び出水市企業セミナー・交流会

11月28日、大阪市難波で開催

昨日、当協会と出水市で共催して出水市企業セミナーと講演会並びに交流会を40名の参加を得て、大阪市で開催しました。

市町村の企業セミナーは、昨年は志布志市と、今年は出水市と共催して実施しました。
出水市は、一昨年、パイオニアとNECの子会社が撤退した後の空き工場への企業誘致を進めており、当日も、企業誘致推進室の畠田次長と税所誘致アドバイザーのお2人が参加され、出水市の特色や魅力、誘致企業への優遇制度等の説明を積極的に行って戴きました。

講演会は、昨年、一昨年に引き続き東京の産業タイムズ社の泉谷 渉社長をお招きし、東日本震災後の企業の展開や、新興国のトップランナーである中国の報道されていない現状等について、他のマスコミと違う視点から、裏話を交えて講演をして戴きました。

特に、産業タイムズ社ならではの、他社で報道されているような日本企業の厳しい環境の中で、日本の匠の技術による高品質、高性能のものづくりが評価され、日本への企業のUターン現象や素材産業や環境エネルギー分野での日本技術の優位性等など、まだまだ日本企業の強さについて、参加者に勇気を与える内容の濃い話を、今年もエネルギッシュに語っていただきました。

講演の後は、恒例の飲みニケーションで、参加者が講師を囲み、情報交換にあっといういう2時間を過しました。

泉谷社長ありがとうございました。  

 

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日本の六重苦/どうなる日本経済(176)

2011-11-28 06:56:55 | どうなる日本経済

日本の2つの六重苦

日経ビジネスの言う六重苦とは?

一般的には、「六重苦」というと、円高、法人税が高い、貿易自由化の遅れ、労働規制、 温室効果ガス抑制策、電力不足というものだが、これに対し、日経ビジネスは、次のような六重苦を唱えている。

①税・社会保障、②円高 、③見えないコスト、④新興国での弱さ、⑤投資効率の低迷、⑥雇用の硬直化 の六重苦だ。

これを挙げた理由を、日経ビジネスの記述によると、

「日・米・韓の企業の財務を徹底分析して、まず、見えてきたのは、税金などの負担の重さ、加えて、日本企業自信の問題だ。いい品質と機能、そして高価格。日本企業がひたすら目指した価値観が、新興国の台頭、先進国経済の変調とともに通じなくなった。世界市場は今、「安さ」を軸に回っていると。

そして、更に、「もはや、質と機能の良さは当然。それに価格も見合っていなければ、 消費者はついてこない。日本企業が直面する本当の六重苦を打破し、乗り越えない限り、国際競争を生き残ることはできない。」

やっぱり、日本の企業も変わらなければいけないんではないでしょうかね。

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海外子会社が貢献/どうなる日本経済(175)

2011-11-25 06:21:40 | どうなる日本経済

海外子会社が本社に送金

日本企業が海外収益をフルに活用

日本企業が海外子会社から本社に送る配当金を増やしているとの記事が日経に掲載されました。

最近の日本企業の潮流が垣間見えるようです。その金額は、今年1~9月で2兆7300億円になるという。通年では3兆6400億円と過去最高を更新する勢いだそうです。

国内産業の空洞化が危惧されている中で、やはり企業は生き残るためにしっかりと海外で稼いでいるようです。

工場を海外に移し、低コストで製品を作り、低コストにより、利益も確保する。いわゆる地産地消し、その結果、利益が日本国内へ配当金という形で還流しているのだそうです。海外子会社の収益の76%もの割合で、国内へと還流しているとのこと。いわば、海外での出稼ぎ現象が起きています。

海外で稼いだ分を国内へと還流させる。この還流資金を原資として、企業は、本社の財務強化や新興国向けの再投資金に充てているこの現象は、今や定番化していくのではないでしょうか。

日経記事によると、この現象を日本企業の新興国攻略の「攻め」と、日本本社の財務体質改善の「守り」の2つの取組という表現をしています。

この「攻め」と「守り」、いつの世でも必要不可欠な戦略だという気がします。

          

                  日経記事より

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人材確保/鹿児島での活動(143)

2011-11-24 06:45:10 | 鹿児島での活動

中小企業にとって優秀な人材確保のチャンス

その人材確保でユニークな面談

今では大企業と言えども、いつ事業の「選択と集中」により、その職場を追われるかわからないというリスクを負っている時代ではないだろうか。

鹿児島県においても、NEC,パイオニア、最近ではパナソニックなど大手企業の子会社が、閉鎖、縮小に追い込まれる状況が続いている。

こういう現象も影響いしているのだろうが、最近の就職活動に臨む学生の意向も大手企業、公務員志望に加え、中小企業やベンチャー企業にも目を向けてきているようだ。

今年も、当協会会議室で4人の学生の企業面談に立ち会わせてもらっている。

その中で、ユニークな採用条件を出した会員企業がある。鹿児島大学の院生の面接で、ほとんど仲間が内定をもらい、私が最後だとの話を聞いた社長が、「わかった最後の院生か。では、今まで高校卒業後7年間あなたの親が出してくれた費用2,100万円(1年に約300万で換算)の親からの借用書を貰ってきなさい。」「それを見て内定をだそう。」という条件をだした。

一生かけて、親に借金を返す。そのために一生懸命就職して働くだろうとの意向だろうと推測したが、真意のほどはわからないが、面白い面談だった。

これまでも、毎年1~2名、鹿児島大学から採用されている会員企業なので、今回も内定は間違いないと思われるが、この院生が社長の意向をどのように受け取り、借用書を持ってくるのか、そして、どんな社員に育っていくのか興味を注がれる面談でした。

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中国不動産バブル/どうなる日本経済(174)

2011-11-22 06:55:16 | どうなる日本経済

中国不動産バブル崩壊

住宅価格は中国全土で下落

中国の不動産市場がバブル崩壊に直面しているという。

それは金融引き締め策により、全国規模で住宅価格が下落し、極端な「住宅を買えば、BMWがもらえる」極端な販促も出てきているそうだ。

中国政府がインフレ抑制のために実施してきた金融引き締め政策が影響していると言われる。中国人民銀行は10月28日、銀行の不動産業者や住宅購入者向け融資が1~9月には前年同期比43%も減少したと発表したが、まさにその結果として、不動産への投機資金が急速に枯渇して価格の暴落が起きる事態となったとのこと。

 今年3月3日掲載の日経には「史上最大の不動産バブルが膨らんできている中、本格的な金融引き締め政策の実施は、いや応なくバブルの崩壊を引き起こすに違いない」との予測記事が掲載されたが、8カ月後の今、状況はまさにこの通りとなっている。

中国の不動産市況の失速は、世界経済にとっても気がかりである。

世界経済の成長を後押ししてきた中国不動産市況はこれから日本や世界経済にどのような影響してくるかをじっくり注視すべき動きである。

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エリート官僚からNPO運営/鹿児島での話題・情報(109)

2011-11-21 06:50:14 | 鹿児島の話題・情報

農商工連携サポートセンターの大塚代表理事

次産業化で鹿児島を元気に!の講演

経産省官僚から天下りせずにNPO法人活動をされている大塚洋一郎代表理事の講演会に参加しました。

大塚さんは異色というか、面白いというか、北大の工学部原子力工学科出身の文部官僚で、海洋や宇宙開発の要職を経て、交流人事で経産省審議官として、農商工連携促進法の制定に係わり、農商工連携の仕事に、いわゆる「ハマってしまい」。官僚の職を蹴り、その仕事をライフワークにするためにNPO法人を設立し、全国規模で活躍されている方です。

私も、県の職員でしたが、大阪事務所での企業誘致やUIターンの仕事に係わり、NPO法人を設立し、ここでの活動をライフワークにして活動していますが、行動範囲や質の面ではとても及ばない方ですが、同じ生き様には共感を覚えました。

全国での講演料が年200~300万円ということでしたが、やはり話が明快でうまい方でした。

活動内容は、

農商工連携と都市農村交流による地域経済の活性化と雇用創出に寄与するため、

・農商工連携に関する人材育成事業
(研修会、講習会の開催、農商工連携コーディネーター育成、認定など)
・農商工連携に関する支援事業
(農商工連携に関する相談、マッチングフェアの開催、農業体験ツアー、開 墾ツアー、スタディツアーの実施など)
・農商工連携に関する情報収集および情報提供事業
・農商工連携に関する調査・研究事業

を行っているとのこと。

日本で唯一、農商工連携、六次産業化を専門にサポートするNPO法人として、農商工連携によって地方に雇用を創出することをミッションにした、大塚さんは官僚らしからぬ、とても前向きな印象の方でした。

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日本の行方/どうなる日本経済(173)

2011-11-18 08:42:52 | どうなる日本経済
雇用の主役「産業の盛衰」を見る。
 
「第3次産業」の比重が一段と高まる。
以前、日経に、戦後復興で、国内の雇用を支えたのは製造業、建設業・鉱業の第2次産業だが、生産拠点の海外シフトや公共工事の削減で第2次産業はかつての雇用を支えられなくなっている。と報道された。
 
雇用の主役は時代とともに移り変わってきていることを記した記事だった。
 
戦後復興が始まった1950年代は就業者数4000万人前後のうち、農林業や漁業の第1次産業で働く人が約1500万人で全体の3~4割を占めた。しかし高度経済成長を経て、雇用の主役は第2次産業に変わり、2009年の第1次産業の就業者数は262万人と、全盛期の2割弱に落ち込んでいるという。

又、製造業もピークの3分の2に落ち込んでいる。

製造業が農林業を抜いたのは64年だそうだ。以来、約30年間、産業別で製造業は国内最大の雇用の受け皿だった。繊維・衣服などの軽工業から鉄鋼や電気機械、自動車など重厚長大の輸出型産業に重心は移ったが、2度の石油危機を乗り越え、製造業は日本の成長を支えてきた。製造業の就業者数のピークは92年の1569万人。その後はバブル崩壊に伴う内需の落ち込みに加え、円高で企業が生産拠点を海外に移したため、雇用は減少に転じる。09年にはピークの3分の2程度にまで減少しているという。

製造業とともに雇用に貢献したのが建設業。高度経済成長の中で成長して増大してきた。バブル崩壊で製造業の雇用が落ち込むなか、政府は公共工事の拡大で景気や雇用を下支えした。公共工事費のピークは95年度の35兆円。92~99年度まで毎年30兆円超の税金が投入された。

労働力は製造業や農林業から建設業に移り、97年には全体の1割を占める685万人が建設業で働いていた。しかし、01年ごろから財政難で公共工事の維持が困難になり、09年度には約17兆円にまで減少。建設業の就業者数もピーク時から2割以上減っている。

第1次、第2次産業の雇用が減る中で、国内雇用を支えているのが卸売・小売業、サービス業などの第3次産業だという。96年には卸売・小売業、飲食店の就業者数が1463万人になり、製造業(1445万人)を抜いた。

第3次産業のウエートは今後、ますます高まりそうだ。独立行政法人の労働政策研究・研修機構は20年、医療・福祉の就業者が09年比4割増の851万人に増えると予想しているそうだが、しかし、現状では第2次産業で働いていた人々を第3次産業にスムーズに移行させる仕組みが乏しく「雇用のミスマッチ」が問題になっているという。

果たして、「技術力日本」の行方はこれでいいのだろうか。考えさせられる現象である。

               

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VIP経済圏/どうなる日本経済(172)

2011-11-17 06:12:23 | どうなる日本経済

ポストBRICsである「VIP経済圏」とは?

「ベトナム、インドネシア、フイリッピン」の滞在力

今、日本のTPP議論は白熱し、反対か賛成のどちらかを巡り対立しているが、BRICsの次のパートナーはVIP経済圏だと、日経ビジネス誌が主張した記事を出している。

実は、VIPとは、「要人」のVIPは知っていたが、どこの国を指すのか知らなかったが、これはベトナム、インドネシア、フィリピンの3か国の頭文字を取ったものだそうだ。

この身近な親日国家3か国が、日本の次の新たな活力源になると主張している。

超大国ではないものの、豊富で多様な人的資源を持つ3か国はアジアでも屈指の親日国だそうだ。少子高齢化、消費衰退、内向きといった日本経済の弱点を補完してくれる相手でもあるという。

既に日本企業にとってはBRICsへの進出、市場攻略は欠かせないものとなっているが、ただ環境は決してよくないようだ。目下中国経済は住宅バブルや固定資産投資の減少に伴うマクロ調整という楽団を抱えているようだ。

この中国の減速リスクは、海外事業が中国に偏っている企業の経営リスクにつながる。展開先を多様化すると同時に、次の新たな成長機会を取り組むためにも、BRICs以外の地域に目を向け、海外戦略をパラダイムシフトすべきタイミングに差し掛かっており、その有力候補が、この3か国「VIP]だそうだ。

今後、この3か国への日本の動きが注目される。

       

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近鉄が沿線で植物工場/関西の話題・情報(15)

2011-11-16 06:15:16 | 関西の話題・情報

近畿日本鉄道が丸紅・近大と組んで農業ビジネス

トマトやレタスを生産し販売する。

今、日本では、TPP問題が大きな議論になっているが、先日新聞で、近畿日本鉄道が丸紅、近畿大学と提携し、2012年に沿線の保有地で農業ビジネスに乗り出すとの記事が掲載された。

これによると、近鉄、丸紅、近大は、三者による産学連携スキームを構築し、植物工場を利用した農業ビジネスを展開するもので、投資額は約3.6億円、3年後の平成26年度の目標収入として年間約1億円を掲げているという。

今回の三者連携では、近鉄が丸紅・近学の協力を得て、奈良県吉野郡大淀町の自社所有地に、完全人工光型植物工場と太陽光利用型植物工場(農業用ハウス)を建設し、そこで生産した農産物を、近商ストアをはじめとする近鉄グループの流通店舗やホテル、レストラン等を通じて、顧客に提供する。平成24年3月に施設建設の着工、平成24年8月に生産を開始、平成24年秋頃に初収穫・出荷開始を予定しているもの。

具体的には、完全人工光型植物工場(面積約210m2)では、丸紅が開発した土耕式植物工場システムを採用し、近鉄がレタスなどの葉物類やサラダカブなどのミニ根菜類等の生産を行うことにしている。

流通やホテル、レストランなど多彩な事業をグループ展開する近鉄と、様々な分野にグローバルなネットワークをもつ丸紅、そして「近大マグロ」や「近大マンゴー」などの独自技術の商業利用に実績のある近大が、それぞれの持ち味を活かし、相互に連携しながら、農業ビジネスを展開していくこの計画が実現すると、これからの農業の在り方に一石を投じることになるのではないでしょうか。

TPPの結果、安い輸入野菜が国内に出回るのか、また、コスト面でどうなるかわからないが、このような植物工場での生産野菜が市場をどのように攻めてくるのか、農業ビジネスは新たな展開に向かって動き出しているのは間違いない。 

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