・鹿児島で第一線の経営者を「出前講義」方式で派遣しています。
・今回は、和歌山県の「(株)寿精密」の米倉廣幸社長に講義をお願いしました。
○講師派遣先は、阿久根市の「鹿児島県立鶴翔高校」でした。
株式会社「寿精密」は、超精密・高精度な金型の設計製作から試作、量産、溶接、組立加工まで、高い技術能力・設備力で経営されている和歌山県に本社のあの企業で、米倉社長が1986年に27才で創業されたものです。
現在は、和歌山県に本社、鹿児島県さつま町に工場(50名)、中国(800名)とタイ国(200名)にグループ会社を設立されております。
当日は、鶴翔高校2年生150名に対して、「働くということはどういうことか、社会人とは」というテーマで、自分の経験を踏まえ、講演されました。
米倉社長の講演の様子 鶴翔高校生の皆さん
○講演内容(概要)
・家が裕福でなかったので、高校を卒業後「製造業の社長になる。」という目標を立て、大阪の中小企業に「5年間は辞めない、給料は安くてもいい、仕事を教えてもらう。」との条件で勤めた。
・友人のほとんどが大学に入ったが、爪に油を滲ませて一生懸命働いた。7年働いた時、鹿児島出身の社長から「鹿児島工場の立ち上げ」の声が掛かったので、自分の独立の際に支援して頂くと言う条件で、2年間勤めた。
・1986年、27才で現在の会社を創業し、今に至っている。目標は達成した。次の目標は、「社員を豊かにすること。」だ。
・人生は、「目標をつくる。」ことが大事だ。それも「正しい目標、誰が見てもいい目標と言われる目標をつくる。」ことだ。
・自分の目標を立てたら、見方の違う、いろんな人の意見を聞くことが大事だ。そして、考える時間をおいて、いろんな情報を分析することだ。
・企業が求める人材は、「正直な人」を望んでいる。
売上げ10兆円、30万人の社員を抱えるパナソニックは「スーパー正直な人」を求めている。
・「嘘を恐れている。」のだ。例えば、工場で不良品を作り、本社に黙っていて、お客さんがその製品でけがをすると、企業全体がダメージを受けることになるからだ。賞味期限をだました「吉兆」の例をみても、その意味はわかると思う。
・就職したらどうするかだが、「徹底的にパクル。真似することだ。」
机の片づけ方、上司への挨拶の仕方を真似る。モノづくりを真似る。良いことは真似る、一番最短でものを覚えられる。
・私の同業者は真似が出来なかったので駄目になった。組織力・開発力のある大企業の真似をする。答えを見ると、後でプロセスは理解できる。
・ソウルオリンピックで、背泳ぎの「鈴木大地」は金メダルを取った。
彼は、事前にプール、水温、水質、天井の色などを下見し、30m潜る金メダル候補が気が弱い性格の人だとの情報を得て、奇策にでた、当日は潜りをそれまでの25mから30mにし、ライバルに動揺を与え、ゴールタッチを有利にするために爪を伸ばしてゴールに突っ込んだ。彼は人事を尽くして天命を待つではなく、見事金メダルを分捕った。
・第二次大戦では、日本最優秀と言われた士官学校の教官が、学生に「お前らのレベルでは戦いに勝てるはずがない」、「まずやってみろ。失敗を恐れるな!」と叩き込んだ。
・人生は「失敗を恐れてやらない。」ではだめだ。「失敗してもいいから、やってみることだ。」
・何もやらないと変わらない。まずやってみることが大事だ。
・まだ50歳の米倉社長の講演を私も聞きました。目標を立て、自分の夢に果敢に挑戦され、目標を達成されたとのこと。実現までは大変な苦労もあったと思うが、淡々とした話しぶりに非常に感銘を受けました。
かごしま企業家交流協会
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