まいど、日本機関紙出版です。

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あなたは広島カープを知っていますか

2016年08月27日 | 丸ちゃんの私的時間

広島カープはどのようにして市民球団として誕生したのか。

25年ぶりのセ・リーグ優勝へ熱き戦いを繰り広げる球団はなぜこんなにも人々を魅了するのか。

カープは廃墟の町から立ち上がろうとする人々の思いを重ねて生まれた。

昨年、NHKが制作した番組です。

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土佐いく子の教育つれづれ~またあしたね〈48〉

2016年08月27日 | 土佐いく子の教育つれづれ

消えた夏休み、先生にも休息を

◆現場はブラック企業並み
 一学期が終わり、子どもたちも先生もほっとひと息。

 終業式の夜、若い先生から「一学期ホント疲れました。身も心もボロボロ、横になったら熱が出てきてダウンしています」というメール。座れない子、暴力をふるう子、授業妨害をする子、親とのトラブル。こんな大変さを理解してくれない管理職への憤り。

 毎日学校を出るのが夜の8時、9時。山のような書類や公務分掌を片づけるのに土日も出勤。まさにブラック企業そのものの今日の学校現場。

 中学校では、これに部活が加わる。娘夫婦が教師をしている知人は、毎日孫の面倒をみ、夕食を作り、夜遅く帰って来る娘夫婦に孫を渡して一日が終わる。「私もクタクタですよ。わが子の子育てもできない今の先生の生活ってどうなっているのだ」とぼやいている。

◆プール当番、研修、巡視…
 やっと夏休み、少しは心も体も休めないではもうもたない。なのに休みに入っても、プール当番、日直はもとより、研修のオンパレード。草ひきや地域の夏祭の巡視で、土日もかり出される。

 10年くらい前からだろうか。「先生は夏休みがあっていい。私たちはせっせと働いているのに、さぼって給料もらってけしからん」。こんな世論に押されて、先生の夏休みはどんどん縮められていった。10年前は、夏休みは1週間くらい出勤したらあとは「自宅研修権」が認められていた。

 人間相手の教育という営みに携わる教師が学校と家との往復だけしていて、本当に豊かな教育ができるのだろうか。

◆豊かな教育のために
 美術館で本物の絵も見たいし、舞台芸術にも触れたいし、スポーツで汗も流したい。山に登って自然に抱かれ、生命を洗ってもきたい。知らない土地を旅して、新しい自分とも出会いたい。日頃読めないまとまった本も読みたい。二学期の教材にある歴史の学習のために、現地に出かけ資料も集めてきたい。そして、いつもほったらかしの我が子の相手もしてやりたい。たまっている家事も片づけたい。心も身体も鋭気を養い、元気になった新しい気持ちで二学期、子どもたちと出会いたい。これでこそ教師の夏休みなのだ。

 私自身、教師生活の中で、夏休みはかけがえのない時間だった。何よりもクタクタになった身体を休めたい。そして、じっくり勉強したいと切に願っていた。日頃やれないさまざまな経験も積みたい。我が子との時間も作ってやりたい。

 まずはスケジュールを立てる時に、行かされる研修ではなく、自分から求め身銭をきって学びにいく研究会を優先して入れた。家族との旅も思い出作りとして大切にした。毎年、今年はこの文献に挑戦しようとまとまった学習課題を自分で作成し、読書記録などもとって、結構まじめに学習にも取り組んだ。そして、一学期の自分の仕事を振り返って成果と課題を整理して、二学期への見通しを作る作業もした。二学期の教材研究もいくつかやる。文学の背景を調べに現地に出かけたり、歴史資料を探しに歩いたりもした。9月に行われる運動会のリズムの講習会に出かけたり、学年の先生方と指導の段取りをたて、練習も実際にやったりして二学期に備えていた。

 そして、全員の子どもたちに暑中見舞いのハガキを書き、子どもらの生活を知ろうと努めたりもした。気がかりな子は、家庭訪問もしてきた。

 しかし、これとてやり過ぎだ。外国のようなバカンス感覚で仕事も何もかも忘れ、ただただ心を空っぽにして休養し、生活を楽しむ感覚こそいるのではないかと思う。

 退職後、少しゆっくり旅をして、外国の人たちのバカンスに触れると、あくせく働く日本人の生活のありようをはたと考えさせられる。

 若い先生は夏休みのきょうも午前中プール指導、午後から2つの研修会、夜は地域の見回りに行くという。明日は朝から一日中出張で、これまた研修会。人権、生徒指導、道徳教育、情報教育、防災教育、英語教育と研修のオンパレードだ。「疲れ果てて寝てばかりだったわ」と苦笑する。

 生身の人間教師に夏休みを、と思う。

(とさ・いくこ和歌山大学講師)

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