労働総研が消費税が10%になったときの試算を発表している。失業の拡大、企業の経営行き詰まり、消費の落ち込み、税収の減少…。明らかに悲惨な日本経済の予測となってる。そもそも税収が減るのにいったい、何のための消費税増税なのだろうか? わけがわからない。
さて消費税が10%になった時、わが零細一人出版社はどうなるのだろうかと想像してみた。
まず、本を作るコストがすべて値上げとなる。用紙代、印刷代、製本代、製版代その他必要経費いろいろ。それらを反映した本の定価が上がる。今まで1050円の本が1100円になる。この時点ですでに本はますます売れにくくなる。これは相当キツイ。
家計消費全体が落ち込むから、お金が本代に使われる比率はますます下がってくる。だから本はさらに売れなくなる。そして体力のない街場の本屋さんは潰れていくことになる。本屋が潰れれば、取次も困る。取次が困れば出版社も困ることになる。
消費税分の定価が上がっても今まで通り売れればいいが、そうはならない。放っておけば自然に売上は下がる。売上を維持するために粗悪本の出版点数が増える。売り場面積の限られた書店に各出版社から大量の新刊が押し寄せる。しかし陳列期間は短くなり店頭での本の賞味期限はますます短くなる。返品は増えるばかり。こうして自転車操業はますます強まる。
そして決算が終わると消費税の支払いが待っている。おそらくこれまでの倍になるのかな。
結局、まったくろくなことがないのが消費税増税というわけだ。もちろん仕事は今まで以上に忙しくなるのはもちろんだ。
ころで現在、書籍の定価表示は多くが本体価格表示になってる。これって要は消費税アップ対策なんやね。5%でも8%でも10%でもOKという表示方法ですね。なんか、消費税増税を肯定しているみたいでイヤですが…。
とにかく、何もいいことがない消費税増税反対です。