さて、次の新刊はあの百田尚樹氏の超ベストセラー小説『永遠の0』と映画『永遠の0』の検証本です。
本と映画を合わせると少なくとも延べ1千万人以上の人が読み・観て感激し涙を流した作品を検証するということで、とても大胆な内容の本です。
一時期の熱狂状態はすでに過ぎ去ってはいますが、小説は今でも文庫が売れ続け、映画はDVDになって多くの人がレンタルして観ているようです。
コミックも出ています。私も映画を観て小説も読みました。
特に映画は、特撮だとわかってはいますが、なかなか迫力があり、正直、思わず「感涙」する場面もありました。
いやあ、やられちゃいましたね、という感じでしたが、でも映画にしろ小説にしろ、観終わった、読み終わったあとのあのモヤモヤ感は何だろうと、どうもスッキリしないなあというものが残っていました。
確かに軍隊批判はしているし、特攻の悲惨さも取り上げてはいるけど、これは反戦映画?それとも・・・。
今年は戦後70年ということで、これからの時期、特攻などをテーマに掲げた様々なテレビ番組や特集記事などを目にすることもあるでしょう。
ということで『永遠の0』についての私のモヤモヤ感をスッキリしてもらおうじゃないかと、3人の方にこの本を書いていただきました。
お一人は、「戦記マニア少年だった」とご自身を語り日本文学に精通、今は大阪府の夜間高校の教師をされている秦重雄さん。
お一人は、元京都府立高校の社会科教諭で、映画にくわしく本も出されている家長知史さん。
そしてもうお一人はインタビューでご参加いただきましたが、立命館大学名誉教授の岩井忠熊先生です。
特攻をテーマにする以上、やはりここは実際の元特攻隊員だった人たちが、この映画をどう観ているのか、それをぜひともお聞きしたかったのです。
岩井先生は特攻に出撃された方ではありませんが、特攻要員という特攻隊員になるべく訓練を受けて来られた人で、出撃前に敗戦を迎えられています。
『永遠の0』。それはどういう作品だったのか。作者の意図は何だったのか。あの感動は私たちに何をもたらしたのか。それをどのように受け止め解明し、戦後70年の今、歴史から私たちは何を学び取るべきなのか、一緒に考えてもらえればと思います。
発売は6月下旬です。約300頁で本体価格1600円。
ぜひよろしくお願いします。