先日重版した『どうなる介護保険総合事業』ですが、全国保険医団体連合会発行の「月刊保団連」9月号に、紹介いただきました。ありがとうございます。
先日重版した『どうなる介護保険総合事業』ですが、全国保険医団体連合会発行の「月刊保団連」9月号に、紹介いただきました。ありがとうございます。
先日、大阪の出版社を対象に大阪市内で行われた「和書ストア在庫改善セミナー@大阪」に参加してきた。
詳しい内容は書けないけど「どうしたもんじゃろうのう・・・」という感じやねえ。
消えた夏休み、先生にも休息を
◆現場はブラック企業並み
一学期が終わり、子どもたちも先生もほっとひと息。
終業式の夜、若い先生から「一学期ホント疲れました。身も心もボロボロ、横になったら熱が出てきてダウンしています」というメール。座れない子、暴力をふるう子、授業妨害をする子、親とのトラブル。こんな大変さを理解してくれない管理職への憤り。
毎日学校を出るのが夜の8時、9時。山のような書類や公務分掌を片づけるのに土日も出勤。まさにブラック企業そのものの今日の学校現場。
中学校では、これに部活が加わる。娘夫婦が教師をしている知人は、毎日孫の面倒をみ、夕食を作り、夜遅く帰って来る娘夫婦に孫を渡して一日が終わる。「私もクタクタですよ。わが子の子育てもできない今の先生の生活ってどうなっているのだ」とぼやいている。
◆プール当番、研修、巡視…
やっと夏休み、少しは心も体も休めないではもうもたない。なのに休みに入っても、プール当番、日直はもとより、研修のオンパレード。草ひきや地域の夏祭の巡視で、土日もかり出される。
10年くらい前からだろうか。「先生は夏休みがあっていい。私たちはせっせと働いているのに、さぼって給料もらってけしからん」。こんな世論に押されて、先生の夏休みはどんどん縮められていった。10年前は、夏休みは1週間くらい出勤したらあとは「自宅研修権」が認められていた。
人間相手の教育という営みに携わる教師が学校と家との往復だけしていて、本当に豊かな教育ができるのだろうか。
◆豊かな教育のために
美術館で本物の絵も見たいし、舞台芸術にも触れたいし、スポーツで汗も流したい。山に登って自然に抱かれ、生命を洗ってもきたい。知らない土地を旅して、新しい自分とも出会いたい。日頃読めないまとまった本も読みたい。二学期の教材にある歴史の学習のために、現地に出かけ資料も集めてきたい。そして、いつもほったらかしの我が子の相手もしてやりたい。たまっている家事も片づけたい。心も身体も鋭気を養い、元気になった新しい気持ちで二学期、子どもたちと出会いたい。これでこそ教師の夏休みなのだ。
私自身、教師生活の中で、夏休みはかけがえのない時間だった。何よりもクタクタになった身体を休めたい。そして、じっくり勉強したいと切に願っていた。日頃やれないさまざまな経験も積みたい。我が子との時間も作ってやりたい。
まずはスケジュールを立てる時に、行かされる研修ではなく、自分から求め身銭をきって学びにいく研究会を優先して入れた。家族との旅も思い出作りとして大切にした。毎年、今年はこの文献に挑戦しようとまとまった学習課題を自分で作成し、読書記録などもとって、結構まじめに学習にも取り組んだ。そして、一学期の自分の仕事を振り返って成果と課題を整理して、二学期への見通しを作る作業もした。二学期の教材研究もいくつかやる。文学の背景を調べに現地に出かけたり、歴史資料を探しに歩いたりもした。9月に行われる運動会のリズムの講習会に出かけたり、学年の先生方と指導の段取りをたて、練習も実際にやったりして二学期に備えていた。
そして、全員の子どもたちに暑中見舞いのハガキを書き、子どもらの生活を知ろうと努めたりもした。気がかりな子は、家庭訪問もしてきた。
しかし、これとてやり過ぎだ。外国のようなバカンス感覚で仕事も何もかも忘れ、ただただ心を空っぽにして休養し、生活を楽しむ感覚こそいるのではないかと思う。
退職後、少しゆっくり旅をして、外国の人たちのバカンスに触れると、あくせく働く日本人の生活のありようをはたと考えさせられる。
若い先生は夏休みのきょうも午前中プール指導、午後から2つの研修会、夜は地域の見回りに行くという。明日は朝から一日中出張で、これまた研修会。人権、生徒指導、道徳教育、情報教育、防災教育、英語教育と研修のオンパレードだ。「疲れ果てて寝てばかりだったわ」と苦笑する。
生身の人間教師に夏休みを、と思う。
(とさ・いくこ和歌山大学講師)
『改憲論議の作法と緊急事態条項―国家緊急権とは何か』(村田尚紀・著)
次の新刊は緊急事態条項をテーマにした『改憲論議の作法と緊急事態条項』です。著者は村田尚紀先生(関西大学法学部教授)。
「緊急事態条項」は安倍首相が参議院選挙ではひた隠しにしていたことですが、9条改憲よりもこれを新設することが容易いという安倍政権にとっては最重要課題です。
そもそも緊急事態条項とは何か? 今の憲法には書かれていないことなので、なんにことかわかりにくいのですが、このブックレットではその内容について、改憲論議自体のあり方の問題点と合わせて、海外の事例とかつての大日本国憲法下での事例を取り上げ紐解きながら解説、今日的に何が問題なのかを明らかにしていきます。
◯目次紹介
1.憲法改正はどうあるべきか?
・憲法尊重擁護義務
・憲法改正の限界
・憲法改正の作法
2.国家緊急権とは何か?
・国家緊急権の定義
・国家緊急権の諸類型
・国家緊急権の例
・国家緊急権の本質
3.日本国憲法にない国家緊急権
・制憲過程における国家緊急権論議
・日本国憲法の「沈黙」の意味
・日本国憲法の「緊急事態」に対する構え
4.緊急事態条項の何が問題か?
・安保法制=戦争法と国家緊急権
・2012年自民党改憲草案の緊急事態条項の諸問題
◯A5判ブックレット、本体800円
◯出来予定 9月2日
夏休み信州2日目。オーナー夫妻に見送られペンションを出発する。今朝も天気はすっきりせず残念ながら白馬連山は雲の中。周辺のオープンガーデンのいくつかを見学したあと、上田市へと移動していく。
途中、道の駅に寄りたいとのことでナビを設定、案内にそって目指していくが目の前に目的地が接近したにもかかわらず何故か行き止まりにぶつかる。はあ?そこにあるのになんで行かれへんねん?とナビに文句を言ってみるがどうしようもない。しばらくうろうろしながらようやく辿り着く。買い物後、再び上田市を目指す。
が、その前に途中にあった川中島決戦の地に立ち寄ってみる。なるほど、なるほど、ここがあの武田と上杉の決戦の場所であったかと、今は広大な公園となった風景をパチリ。それから上田方面へと急ぐ。
右が上杉謙信、左が武田信玄の銅像
なるほど、「敵を塩を送る」という表現はここから生まれたわけだ
かつての戦場も今は広大な公園になっていた
先日も行った「高橋まゆみ人形館」がお気に入りで、その出張展示が上田市の公民館で行われているのだ。聞くと上田市政10周年企画ということで、大勢のボランティアの力で開催にこぎつけたそうだ。先日は見られなかった人形も含めて、2つの部屋に展示がされ、若い人からお年寄りまで大勢の参観者で賑わっていた。
http://www.ningyoukan.net/index.php
せっかく上田市に来たのでやはりここは真田氏の上田城を見ないわけにはいかないだろうということで、いくつかの満車表示の駐車場を巡りながら、ようやく野球場の駐車場に車を止めた。さすがにテレビ効果は大きいようで、場内は人人人人人人・・・!
うーん、こんなところにも出現するのか
真田神社は明治期に建てられたもので真田親子が祭神とされている
上田城は真田昌幸が開いた城で、徳川軍との戦いが行われた舞台だ。大河ドラマ「真田丸」では徳川軍勢を場内におびき寄せ敗退させるシーンが描かれていた。しかし、後に関ヶ原の戦いで敗れた昌幸は、幸村と一緒に和歌山の九度山に幽閉され、上田城は徳川軍に本丸を破壊されたり堀を埋められてしまう。その後、徳川軍に付いた昌幸の長男・信之がここに居を構え、以後本丸は再建されないまま、上田城は別の大名に引き継がれていった。今も残る3つの櫓が当時の様子を物語っている。
表側から見た上田城。左右の櫓は当時のもの
日下部雅喜さんの『どうなる介護保険 総合事業』(定価864円)の2刷が出来です!
部数は2000部。ぜひ普及にみなさんのお力添えをよろしくお願いします。
12日深夜に家を出て、遠路、白馬村の五竜方面へ向かった。7時半に麓に到着、パッとしない空模様の下、ゴンドラとリフトを乗り継いで標高1600メートルあまりの登山口へ。登山と言っても今回はそんなに激しい登りコースではなく、トレッキング気分の楽ちんコース。
いきなり木の階段をどんどん登っていくが、とにかく暑い! 水分補給しながら、単独行なのでマイペースで登っていく。目指す小遠見山からの360度の展望が素晴らしいということで、大勢の人が登っていくルートだ。途中である30人ぐらいの列に追いついた。ナンチャラツーリズムとかいう皆さんで、年配のご婦人たちが多い。半分ぐらいまでは抜かせてくれたのだが、それ以上前に行けなくて、ゴールまでずっと列の真ん中当たりにいて、一緒に登ることとなった。
本来ならこの向こうに白馬の山々が見えるはずだが・・・
人が多すぎてこんな証拠写真になってしまった
せっかく登った小遠見山だが、雲の中で展望は何も見えず。ナンチャラツーリズムのみなさんが食事休憩をしている間にこちらは5分ぐらいの滞在で切り上げてさっさと下山へ。出発点から往復2時間あまりのトレッキングとなる。
下方には植物園があり、空を見上げるとたくさんのパラグライダーが気分良さそうに舞っている。ゴンドラ乗り場のレストランのデッキで生ビールと冷たい蕎麦の昼ごはん。
五竜植物園
下山してとりあえずは温泉へということで、八方温泉へ行くがかなり混雑していそうだったので、以前に行ったことのある白馬連山が目の前に見える露天風呂のあるホテルの日帰り湯へ向かった。目算通り、ガラ空きでほぼ独り占め状態だった。温泉を出て、家族連れで賑わう白馬コルチナホテルのイングリッシュ・ガーデンへ向かう。約1時間、こちらは本を読みながらの時間待ち。
宿泊はみそら野の昨年も泊まったペンション、ウィンズ白馬。ここも露天風呂があるなかなか予約のとれないペンションで、欧風コース料理がとても美味く、ワインがすすんだ夜となった。
合田寛先生の最新刊、出来です!
膨大なデータを含んでいるパナマ文書の解明がこれから進んでいきます。そして日本政府もそのために役割を果たすべきでしょう。
この世界の不平等・格差をこのまま許していいのか、そして大企業や超富裕層の税逃れにどのように規制を加えていくのか。
これこそ、グローバルな視点から考えるべき事柄でしょう。
7月中旬の土日、思い立って信州方面へ出かけた。
車で約500キロ以上走り続けてたどり着いた上田市。とりあえずは真田氏歴史館へ行ってみた。ちょうど「大阪城真田丸(絵図、地形図・空中写真で考察する位置と形状)」という企画展をやっていた。
この歴史館は真田幸隆をはじめとする真田一族の歴史を古文書や武具などの資料で紹介、年代に沿った展示で真田氏のことが理解できるようになっている。複製品だが、真田氏が使っていた甲冑もあった。
歴史館を出て少し歩くと真田氏跡がある。幸隆、信綱、昌幸3代が居住した建物跡だそうで、このあたり一帯は「お屋敷公園」と呼ばれ、なだらかな丘陵地帯にある。
ここから車で約10分、真田氏の城跡のある山に上がっていく。NHKのドラマでは松尾城とされているが、上田城に居を移すまではここが真田氏の本城だったそうだ。左右が鋭く落ちた細い形状の山で、周囲の見晴らしがいい。ここ以外にも見える範囲のあちこちに山城があった。
上田城はたいへん観光客が多いらしいが、この城跡はちょっと町中からは距離があるので訪れる人も少なく、しみじみと当時のことを想像するにはちょうどいい雰囲気なのだ。
さてお腹も空いたので、途中にあった「幻の蕎麦」という看板を掲げていた蕎麦屋さんへと向かう。「幻の蕎麦」ねえ・・・。確かに大阪で食べる蕎麦とはちょっと違ってなかなかしっかりした蕎麦であった。ごちそう様。
上田から小布施を抜けて、飯山市に入り戸狩温泉に宿泊。主人の手打ちそばが美味かった。初めてこの地に来たが、周囲は野沢温泉、木島平、斑尾高原など温泉とスキー場が密集している地域だったことに気づく。
翌日は目当ての高橋まゆみ人形館へ。全国で巡回展示をしていたので知っている人もいるだろう。その独特の表情が描き出す風景が懐かしく、心が安らぐ。
人形館を出て、千曲川沿いのいいやま湯滝温泉へ。川面を見ながら人少ない露天風呂を楽しんだあと、ガイドマップを見ると、この辺りが映画「阿弥陀堂だより」の撮影地であったことがわかった。なるほど、これは見ていかねばと車を走らせ、山の中に入って行く。どんどん山道をのぼっていくとやがて行き止まり。これはまずいと思い直し、来た道を下っていると、それらしい建物を発見。ああ、なるほどねえ、これがあの映画でおばあさんが住んでいた阿弥陀堂かあ、とそこから見える景色に見とれてしまった。
こんな感じで初めての土地を訪れたが、うーん、飯山市はなかなかいいところじゃないか。近くには小布施もあるし、なかなか侮れない! また行こう。
やっぱり家族はぬくい
子どもの作文や詩に見る
◯家族内事件が相次ぐ現代
きょうも目の悪い息子の将来を悲観して、母親が手をかけたというニュース。老老介護に疲れて夫が妻を、子育てに疲れた若い母親がわが子をと…家族の中での事件が相次ぐこの時代。心が痛い。社会の貧しさが家族の不幸を作り出している。
こんな今だからこそ、子どもたちは、家族のぬくもりを一層求めてもいる。
◆ ◆ ◆
へいわってこんなこと
一年 あきと
いつもぼくがかえってきたら、おかあさんに「ぎゅうしたい」っていっていて、おかあさんが「いいよ」っていってくれて、ぎゅうをして、こころがあたたまる。うちでいつもぎゅうをしているよ。
(日本子ども文詩集より)
これを「へいわ」って言うんだね、ホント!平和の原点はここにあるんだよね。
◆ ◆ ◆
かたたき
一年 うちゅうた
おかあさんのかたをたたいたら ぬくかった
うちゅうたも 手がぬくかった
からだじゅうも ぬくくなった
もっとたたいてみると おかあさんが「もういいよ。うちゅたをうんでよかったわ」
とさいごにいいました
(「教室でいっしょに読みたい綴り方」より」)
「あなたを産んでよかったわ」という言葉は、親から子への一番の宝物です。
◆ ◆ ◆
お母さんとお父さんのいけん
三年 よしあき
ぼくが詩を書く前に、日にちを見に行こうとした
見に行ったら、おとうさんが
「そんなにべんきょうしたら、頭がアホになんで」と言った
お母さんに言うと
「アホになるほどべんきょうしてほしいわ」と言った
お母さんとお父さんのいけんはいつもちがう
(「教室でいっしょに読みたい綴方」より」)
大阪の父ちゃんと母ちゃん、ゆかいです。笑い声まで聞こえてきます。
◆ ◆ ◆
ラブレター
五年 奈津美
母が小さな引き出しをせいとんしていた
「なにしてんの」
と言いながら、引き出しの中を見た
「あっ、なにこれ!」
引き出しの中に四つ折りにした手紙があった
開いてみると「愛する優子へ」と書いてあった
「愛する優子へだって」
と言ったら
母が顔を赤くした
お父さんもお母さんにラブレターを書いたんだ
愛する優子へだって
キャー
わたしも心の中で顔を赤くした
(「年刊児童文詩集」より)
私も懐かしくなって顔が赤くなってきたわ。
◆ ◆ ◆
「先生きいて」
一年 こういち
おばあちゃん もうな
ちもないし
めもないし
みんなない
ほねもやいてもうてん
あつうなって
はしで おとうさんが とったん
ぼくのおかあさん ないとった
なんか バスでつれていったん
バス一だい
タクシー 一だい
ぼくのくるまも 一だいでしょ
みんな 一だいばっかし
(「書くこといっぱい」より)
家族の生も死もきちんとみつめさせたい今です。
(とさ・いくこ和歌山大学講師)
今日は8月6日、「原爆の日」です。この日に間に合わせての新刊は、京都の学生たちが10年間にわたって取り組んできた「原爆展」の記録集です。
毎回、企画展示を準備し、被爆者の証言や戦争体験者の話を聞いてきました。
展示内容と証言、そして被爆者証言をもとに作った3冊の絵本をまとめました。
第1章 二度と戦争をしてはいけない【戦争体験者の証言】
第2章 平和でつながる“縁”原爆展
第3章 世界のどこにも被爆者をつくらない【被爆者の証言】
第4章 平和を求める
第5章 戦争が現実味を帯びてきた【座談会】
第6章 絵本と詩で伝える平和
◯A5判 302頁
◯本体:2000円
◯書店では8月10日以降の発売
◯ただいまご注文受付中
子どもを視点にした歴史教育を大切に・・・
『戦争孤児を知っていますか?』(本庄豊・MBSラジオ報道するラジオ)が、「歴史地理教育」8月号で書評されました。ありがとうございます。