黒木亮は結構読んだな。長男の奥さんも黒木のファンだと、先日話が盛り上がった。
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物語は戦後の司法、裁判官の歴史が語られ、国の杜撰な原子力政策が大きな流れで語られている。
主人公達は僕より一回り以上年配の世代だ。しかし、時代を象徴するイベントは、同時代の出来事として記憶に有るものばかりで、感情移入もしやすい。
先に読んだ「ジョンマン」も一代記だが、江戸時代と昭和~平成では実感が違う。
裁判官を主人公にした小説と言えば!横山秀夫の短編を読んだ。
昔、僕自身社内弁護士の鞄持ち等したこともあり、警察物より身近に感じて、こちらもテンポもよくサラサラ、読めた。
そう、大阪地裁の裁判に向かう道すがら、大阪地裁は変わった人が多いと言った弁護士の一言を思い出した。
公害や薬害の責任までは国に問えるが、防衛や原子力政策の根幹までは司法の及ばない部分もあるのは致し方なかったとは思うが。
10年20年先の司法制度➰機能の改革を考えて力を発揮する弓削。その彼が後事を託すエリート津崎、そして同期の緻密で人間味ある判決をする現場で黙々と仕事をするもうひとりの主人公村木➰。いずれの生き方にも感服するものがあった。