新見公立大学・短期大学では、毎年、教職員が学生に薦める本として3冊程度を紹介することになっています。
今年度、僕が推薦図書として選んだのは次の3冊です。
『怒りの葡萄』(The Grapes of Wrath)(新潮文庫・ハヤカワepi文庫 他)
ジョン・スタインベック(John Steinbeck)
何年か前にもこの書を推薦図書として紹介しましたが、一昨年と昨年に相次いで、上記のように2つの出版社から新訳が出版されました。スタインベックの名著であるこの作品は、何度も翻訳されていますが、原作出版の年(1939年)に、後年、名著となるこの作品を日本で初めて訳したのは、本学の第5代学長新居志郎先生の伯父様にあたる新居格(イタル)氏です。『怒りの葡萄』を読みなおしてみると、現在も世界の各地で起こっている難民問題に通じる内容であることがわかります。学生の皆さんには、ぜひ英語での読破に挑戦してもらいたいのですが、やや難しいかもしれません。日本語でもいいので、読んでみてください。
*以前の『怒りのぶどう』の推薦記事は、読書案内:ジョン・スタインベック(John Steinbeck) 『怒りのぶどう』をご覧ください。
『すべては今日から』(新潮社)
児玉 清
著者は俳優の児玉清さん、2011年に亡くなられましたが、学生の皆さんにはクイズ番組「アタック25」の司会者だったと言えば、わかってもらえるのではと思います。児玉さんは、読書好きとして有名で、雑誌や新聞等いろいろなところで本の紹介をされていました。そのような書評記事を含む数々のエッセイを、没後に息子さんが集められて出版されたのがこの書です。私が、ある本が読みたいと思うのは、書店(古書店を含む)で、この本が読みたいと直感的に感じる時と、誰かが、その本について語っていることに興味を持った時です。児玉さんによって、この書の中で紹介されている数々の本、時間が無限にあるのであれば、ぜひ全て読んでみたいと思いました。その他にも、児玉さんが俳優になった人生の転機なども書かれて、興味深い本です。
*この書についてのブログ記事は、読書案内:児玉 清著『すべては今日から』(新潮社, 2012)をご覧ください。
『美作の風』(角川春樹事務所 ハルキ文庫)
今井絵美子
私は、日本の時代物小説はあまり読まないのですが、江戸時代に現真庭市で起こった山中(サンチュウ)一揆を描いた映画『新しき民』(山樹一郎監督)にあるきっかけで関わるようになり、その中で、山中一揆を描いた作品として知人に紹介されたのが、この書です。職業柄、どちらかというと外国小説を読むことが多いのですが、たまに日本のものを読んでみると、自分の国の言葉で自分の国のことが描かれているので、いろいろなことが鮮明にわかるのが嬉しく、そして新鮮に思えます。江戸時代の美作の国で懸命に生きてきた人々が生き生きと描かれ、とてもよい読書体験となりました。キーワードは「郭公(かっこう)」です。
*この書についての記事は、読書案内:今井絵美子『美作の風』(ハルキ文庫, 2012)です。ご覧ください。
今年度、僕が推薦図書として選んだのは次の3冊です。
『怒りの葡萄』(The Grapes of Wrath)(新潮文庫・ハヤカワepi文庫 他)
ジョン・スタインベック(John Steinbeck)
何年か前にもこの書を推薦図書として紹介しましたが、一昨年と昨年に相次いで、上記のように2つの出版社から新訳が出版されました。スタインベックの名著であるこの作品は、何度も翻訳されていますが、原作出版の年(1939年)に、後年、名著となるこの作品を日本で初めて訳したのは、本学の第5代学長新居志郎先生の伯父様にあたる新居格(イタル)氏です。『怒りの葡萄』を読みなおしてみると、現在も世界の各地で起こっている難民問題に通じる内容であることがわかります。学生の皆さんには、ぜひ英語での読破に挑戦してもらいたいのですが、やや難しいかもしれません。日本語でもいいので、読んでみてください。
*以前の『怒りのぶどう』の推薦記事は、読書案内:ジョン・スタインベック(John Steinbeck) 『怒りのぶどう』をご覧ください。
『すべては今日から』(新潮社)
児玉 清
著者は俳優の児玉清さん、2011年に亡くなられましたが、学生の皆さんにはクイズ番組「アタック25」の司会者だったと言えば、わかってもらえるのではと思います。児玉さんは、読書好きとして有名で、雑誌や新聞等いろいろなところで本の紹介をされていました。そのような書評記事を含む数々のエッセイを、没後に息子さんが集められて出版されたのがこの書です。私が、ある本が読みたいと思うのは、書店(古書店を含む)で、この本が読みたいと直感的に感じる時と、誰かが、その本について語っていることに興味を持った時です。児玉さんによって、この書の中で紹介されている数々の本、時間が無限にあるのであれば、ぜひ全て読んでみたいと思いました。その他にも、児玉さんが俳優になった人生の転機なども書かれて、興味深い本です。
*この書についてのブログ記事は、読書案内:児玉 清著『すべては今日から』(新潮社, 2012)をご覧ください。
『美作の風』(角川春樹事務所 ハルキ文庫)
今井絵美子
私は、日本の時代物小説はあまり読まないのですが、江戸時代に現真庭市で起こった山中(サンチュウ)一揆を描いた映画『新しき民』(山樹一郎監督)にあるきっかけで関わるようになり、その中で、山中一揆を描いた作品として知人に紹介されたのが、この書です。職業柄、どちらかというと外国小説を読むことが多いのですが、たまに日本のものを読んでみると、自分の国の言葉で自分の国のことが描かれているので、いろいろなことが鮮明にわかるのが嬉しく、そして新鮮に思えます。江戸時代の美作の国で懸命に生きてきた人々が生き生きと描かれ、とてもよい読書体験となりました。キーワードは「郭公(かっこう)」です。
*この書についての記事は、読書案内:今井絵美子『美作の風』(ハルキ文庫, 2012)です。ご覧ください。