今回のアメリカ大統領選挙、皆さん、ご存知の通り、共和党のトランプ氏が民主党のクリントン氏を破り、第45代大統領となることが決まりました。
一応、大学で英語を教え、アメリカ文学やアメリカ文化などを研究し、大学の10回のアメリカ研修旅行や姉妹都市訪問団、そして国際スタインベック学会や国際姉妹都市年次大会などを含めアメリカに何度も行き、友人知人も多数いるため、アメリカについてはある程度わかっているつもりではありましたが、今回の結果には本当にびっくりしました。
というのは、今年は5月と9月に渡米し、友人知人の何人もと大統領選挙について話をしましたが、トランプ氏を支持する人はほとんどいなかったからです(ただ、クリントン氏を全面的に支持するかというとそうではなく、どちらかといえばクリントン氏だというような消去法的なクリントン氏支持が多かったのも事実です)。
SNSやメール等での中でも、それは同じでした。
また、2大政党以外の政党支持者も友人にいます(例えば、緑の党(Green Party))。
そのような友人知人との話を総合的に考えれば、このように接戦に見えるけど、結局はクリントン氏が勝つのだろうと考えていました。
ところが結果は逆でした。
そこで投稿したのが、昨日の
Why, American People?(ブログにもFacebookにも投稿)なのですが、「なぜだ?」というのが率直な感想でした。
でもよく考えてみると、僕が今年訪問したのは、5月はカリフォルニア、9月はニューヨーク、どちらも民主党優位の州です。
(今回の選挙でも両州ではクリントン氏が勝利しています。)
また、友人知人として僕と付き合ってくれている方々は、研究者であったり、国際交流にかかわる人であったりで、どちらかというとインテリ層であったり富裕層であったりという方々なのです。
格差が広がっているといわれるアメリカ社会、実際にアメリカで暮らしてみないとなかなか見えない苦しい現実もたくさんあるわけです。
そういうことは、頭ではわかっていたつもりでしたが、友人知人たちのトランプ氏に対する不信任率があまりに高かったので、今回の選挙結果は読むことができませんでした。
ニュースでは、「隠れトランプ」という言葉が使われだしています。
既存の政治では現状打破が見込めないので、それを打ち破ってくれそうな過激なトランプ氏という人にある種の期待を寄せながら、あるいは、よくぞ言ってくれたと思いながら、トランプ氏支持を表明していなかった人が意外と多かったのではと、言われています。
「外国人」である私に対しては、日本をはじめとする諸外国、また移民や異教徒に対する過激な発言が多かったトランプ氏を支持しているとは、なかなか言えなかった人もいたのかもしれません。
日本にいながら外国アメリカのことを研究する難しさ、アメリカのことをある程度分かったつもりでいた浅はかさ、姉妹都市であり研修旅行地であり友人も多いNew Paltzという「定点観測地」を持ち、その地域のことはある程度わかるけど、アメリカというのはそれだけではなく、本当にいろんな要素がある国なんだということを再認識した次第です。
(ニューヨーク5番街にあるトランプ・タワー、今回のアメリカ研修時2016.9.11撮影)
さて、ドナルド・トランプ氏が次期大統領(英語では、President-Electといいます)となりました。
マスコミやSNS等でいろいろな発言がありますが、もう結果は出たのですから、あとはそれを踏まえてやっていくしかないでしょう。
僕は、元来楽観的な人間ですが、おそらく日米関係にしても、そんなに悲観的なことにはならないと思っています。
友人の中には、今回の私のWhy American People?の投稿を見て、トランプ大統領がアメリカの大統領になっても、私たちを嫌いにならないでというメールをくれた人もいます。
大丈夫です。
僕は、これまで通り、アメリカ文学、アメリカ文化を研究し続け、アメリカに行き続け、アメリカ人の友人知人とも付き合っていく(付き合っていただく)つもりです。
トランプ氏が、いかにして他国との交流を損なわないで、アメリカを再び偉大な国にするのか(make America great again)お手並みを拝見したいと思います(←またまた外国からの観察ではありますが)。
(ただ、一つの心配は、過激な発言が多いトランプ氏、ケネディ大統領のようなことにならなければと思っています。)