山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

山縣有朋の句「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」

2022-09-27 20:46:48 | 日記
本日執り行われた安倍晋三元首相の国葬に於て、菅義偉前首相が友人代表としての追悼の辞を読みました。

始めの方の

「あの運命の日から80日がたってしまいました。あれからも朝は来て、日は暮れていきます。やかましかったセミはいつのまにか鳴りをひそめ、高い空には秋の雲がたなびくようになりました。季節は歩みを進めます。あなたという人がいないのに時は過ぎる。無情にも過ぎていくことに私はいまだに許せないものを覚えます。」

この部分がとても素晴らしかった。

そして、安倍元首相の机の上には、岡義武著「山県有朋」が読みかけで置かれてあって、ページの端を折っていたページには、山縣有朋が長年の盟友、伊藤博文に先立たれ、故人をしのんで詠んだ下記の歌にマーカーペンで印がつけられていたとのエピソードが紹介されました。

かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ

「いまこの歌くらい、私自身の思いをよく詠んだ一首はありません」とあいさつを締めくくる。

本当に素晴らしい歴史に残るスピーチだったと思います。
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Courage is doing what is right.(新渡戸稲造)

2022-09-27 20:38:04 | 日記
今日の安倍晋三元内閣総理大臣の国葬において葬儀委員長の岸田文雄現総理の追悼の辞で出てきた新渡戸稲造のBushido(『武士道』)からの言葉で、安倍元総理も防衛大学の卒業式の式辞で一度使ったことがある言葉だそうです。

Courage is doing what is right. 「勇とは義(ただ)しき事をなすことなり」

憶えておきたい言葉ですね。
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国葬について(ジョーゼフ・キャンベル著『生きるよすがとしての神話』から)

2022-09-27 20:00:33 | 日記
ジョーゼフ・キャンベル(Joseph Campbell著『キャンベル選集Ⅱ 生きるよすがとしての神話』(Myths to Live by)(角川書店, 1996)( 飛田茂雄・古川奈々子・武舎るみ訳)第三章「儀式の重要性」より国葬についての一節を引用します。

 ではここで、社会にとって儀式がいかに重要であるかを示すために、ケネディ大統領暗殺後、首都ワシントンで厳粛に執り行われた国葬について触れましょう。あの葬儀は、社会にとってどうしても必要な儀式でした。あのおかげで、国家全体がひとつになって、ショッキングな大統領暗殺の苦しみに耐えることができたのです。大統領を失ったことで、全国民が一様に大きな衝撃を受けました。政治的には、意見の相違や感情の行き違いがあったかもしれないが、あの偉大なる若き政治家は私たちの社会全体を代表していました。ケネディ大統領は、アメリカ国民を包含する生きた社会有機体の代表者でしたが、政治家としての絶頂期に、活力に満ちあふれた人生最高の瞬間に、突然の死によって連れ去られてしまったのです。あとには惨憺たる無秩序だけが残った。このような悲惨な状況から脱するためには、国家としての連帯意識を再構築するための償いの儀式がどうしても必要でした。これは国民に向けた儀式だというだけでなく、近代文明国家としてのわが国の威厳と品位を示すために世界に向けた声明としての働きも担っていました。あの緊迫した時期に、当時のラジオやテレビ局はすばらしい働きをしてくれた、と私は考えています。これは、大統領の葬儀が自然に生み出した「生きた」側面のひとつです。というのは、テレビやラジオのおかげで、この巨大な国家の全国民の心が、四日間の葬儀期間中ひとつに結ばれ、同じように、しかも同時に、ひとつの象徴的な行事に参加することができたからです。(p.62)






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