山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

2018年度教員推薦図書

2022-03-03 20:24:58 | 業績リスト
新見公立大学では、毎年教員が学生たちに推薦図書を示すようになっています。

2018年度に紹介した本は以下の書です。

『スタインベックとともに 没後五十年記念論集』(大阪教育図書)
中垣恒太郎・久保田 文・山内 圭・中島美智子編
 私が会長を務める日本ジョン・スタインベック協会では、2018年がスタインベックの没後50年であったことから、彼が現代社会に残した文化的遺産について再評価する論文集を発行しました。私はこの中で「伝記、書簡、日記に見られるジョン・スタインベックの病歴」という論文を発表しています。書かれたものから人を知るという私がとった手法は、皆さんの看護・福祉・教育の対象となる方を知る時に役立つかもしれません。


『隠徳のひじり 玄賓僧都の伝説』(法蔵館)
原田信之
 この書は、看護学科の原田信之先生が本学に赴任されて着手された、新見の地ゆかりの玄賓僧都についての研究をまとめられた渾身の一冊です。原田先生が玄賓について調査されてきたことは、同僚として、聞かせていただいたり読ませていただいたりする機会が何度かありましたが、それがこの度、このように本の形にまとめられました。学生の皆さんも、ぜひ読んでみましょう。


『カンボジアを知るための62章』(明石書店)
上田広美・岡田知子編著
 本学のカンボジアスタディツアーの引率を初めて担当するにあたり、カンボジアのことを知っておこうと思い、読んだ書です。実は、この書の編者の一人、上田広美さんは、私の高校時代の同級生です。今回、こんな形で同級生に「再会」することができ不思議な縁を感じています。カンボジアという国の概要を知るのはとてもよい書です。カンボジアから帰国した今、もう一度紐解いてみたいと思っています。


『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』(集英社)
さくらももこ
 皆さんをばかにして子ども向けの本を紹介しているのでは、もちろんありません。この書は、昨年亡くなったさくらももこさん作の同名映画のノベライズ本ですが、実は、この映画、したがって、この書には、国際交流や異文化交流の真髄が描かれているのです。言葉や文化の違う人間と触れ合うときの困難さ、そして、その困難さがある故に、通じ合った時の感動の大きさが、素直な筆致で描かれていて読者に大きな感動を呼び起こします。



『ニューヨーク 知ったかぶり 魅惑の都市の読み解き方』(ダイヤモンド社)
常盤新平
 私が時々やるのは、わざと少し古い本を読んでみるという読書法です。本書は私が20代で初めてニューヨークを訪れた頃より少し前に書かれました。現在まで20回近く訪れたニューヨークの街、あの頃は、こうだったのか、だから今、こうなったのかなどと、同時代に読んだ場合わからなかった、その後の結果がわかっているという優位性を持ちながら読書を楽しめるのです。変化の街ニューヨークについてだから、そのような読み方が特におもしろいのです。


『ブルックリン物語』(筑摩書房)
ピート・ハミル(Pete Hamill)
 旅の前、その地が舞台になった書を読んでみるのも私がよくする本の読み方です。昨夏、ニューヨークのマンハッタンからイーストリバーを渡ったところにあるブルックリン地区を訪れるに先立ち、この書を読んでみました。物語中に現れるブルックリン行きの地下鉄の描写がとても素晴らしく、自分が実際に地下鉄でブルックリンに移動する時に、全くその通りだと感銘を受けました。「ブルックリン素描」というエッセイも収録され、これも一読に値します。


『カンボジア最前線』(岩波新書)
熊岡路矢
 これもカンボジアを初めて訪問するに先立ち、その歴史を知ろうと紐解いた書です。タイトルに「最前線」とありますが、それはこの書が出版された1993年当時のことであり、当時の「最前線」を約25年後の将来を知る現代人の私が読むのは少しずるいことかもしれません。でも、自分が住んでいない他国の歴史を知るためには、それは少し賢いやり方なのかもしれません。いずれにしても、カンボジアの歴史はかなり複雑で読書だけではなかなかわかりませんが…。


『スマホ廃人』(文春新書)
石川結貴
 交通機関が発達すれば人間の脚力が衰え、計算機が発達すれば人間の計算力が衰えます。コンピュータやスマホが発達すれば、人間のどのような力が衰えるのでしょうか?スマホが発達すれば、人間は「スマホ廃人」になってしまうのでしょうか?何も考えずに、スマホばかりに依存していれば、確かに「スマホ廃人」になってしまうかもしれません。皆さん、「スマホ廃人」にならないように、ぜひこの本を読んでみましょう。
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