朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

法科大学院の位置付け

2009年09月25日 05時25分41秒 | 法・裁判
多すぎた法科大学院…新司法試験、崩れた構想(読売新聞) - goo ニュース

私の周囲でも、
法科大学院に通ったり、卒業して司法試験を受けたりする
人間がいるので、あまり他人事ではない話なのだが。

そもそも法科大学院の目的には、
法曹人口を増やすだけでなく、
法律的な基礎素養を持つ人を様々な分野に供給する、というのも
あったように思う。
その目的を考えると、今後は、
・「法科大学院を卒業している」ということで
 法曹に携わる程のスキルはないにせよ、
 法律的な素養は持っている、と認定する
・法曹に携わる人は、その後司法試験を受験する必要がある
と二段階で考えるのも良いのではないか。

ただ現状では、
その「素養」すら教えられないようなレベルの法科大学院もあるようだが。
現状の設置基準のままでは、実際の教育レベルは分からないので、
受験する側が
「この大学院は合格率が低い、レベルが低そうなので受験するのは止めよう」と
選択することにより大学院間の競争が働き、
レベルが低い学校が淘汰されるしかないだろう。

しかし、最初に入学した時は「合格率」はまだ分からない状況だった訳で、
受験する側は選択するための情報がなく、
法務省が言った「7~8割は合格するはずだ」という前提で受験しているだろう。
そのような「騙された」被害者に対してまで、
「5年で3回不合格だと受験資格を失う」のは不公正ではないか。
このルールを停止するなど、何らかの救済措置が必要だと思う。

あと、最初に書いた「二段階の選抜」も含めて考えると、
「5年で3回不合格だと受験資格を失う」制度は
廃止した方が良いのではないだろうか。
法科大学院を卒業した時点で、例えば企業に法務担当者として就職し、
その後法曹関係を目指す、といったライフプランも
認めるべきでは?
コメント (4)
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青森での裁判員裁判

2009年09月05日 18時42分03秒 | 法・裁判
【裁判員裁判】性犯罪初公判 求刑通り懲役15年(産経新聞) - goo ニュース

被害者のプライバシーを考えると、
特に性犯罪は裁判員裁判には向かないのでは、と思う。
今回も被告に対して「被害者の名前を出さないように」と伝える、という、
小手先でどうにか回避していたようだが、
無理をしている感じがするなあ。

今回は検察側の求刑通り、ということで
今までの「量刑相場」とは違っているらしい。
このあたりに「庶民の感覚」を入れるのが裁判員制度の目的だと思うので、
まあ、効果はあった、ということか。
ただ多くの人の感覚では、おそらく被害者側に感情移入するだろうから、
必然的に量刑は重くなるのではないか。
これも法務省の「厳罰化」志向に合っているのかも知れないが。

被告が罪を認めているケースばかりでなく、
今後は否認しているケースも出てくるだろう。
そのような場合に「やっていないかも知れない」という感覚から
無罪になる事態が発生するのかどうか。
そのあたりに注目している。
コメント (1)
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加盟店オーナーは労働者なのか?

2009年08月05日 08時00分36秒 | 法・裁判
# タイトル直しました。

セブン─イレブンのオーナー有志、労組結成(読売新聞) - goo ニュース

労働組合法上の「労働者」の定義は、
「職業の種類を問わず、
 賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。」
というもの。

コンビニのフランチャイズ契約は
基本的に売上は加盟店のものになり、
そこから(多額の)ロイヤリティや売上の一部を本部に徴収される、
という形だと思うのだが、
その差額を「賃金、給料」と言えるのかどうか。
ちと違和感があるのだが。

ただ、加盟店が「労働組合」の形をとったのは、
交渉要求に対して
本部側がきちんと応えてこなかったからだろう。
「労働組合法」による「労働組合」と認められれば
団体交渉に応じざるを得ない。
本部側が逃げてきたことが、この状態を生んだのでは、と思う。
そういう点からは、「労働組合」の形もやむを得ないか。

しかし本来の形としては、「労働組合」ではなく、
大きな事業者に対して、
不当に不利な条件で契約を結ばざるを得ない中小事業者が、
条件交渉したり撤回を求めたりできる枠組み・根拠を作り、
それに則るのが良いように思うなあ。
「下請法」の改正・拡張とか。
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人身御供を作りたいのか?

2009年07月18日 21時31分53秒 | 法・裁判
「気持ちに時効はない」遺族の叫び国動かす 法務省最終報告(産経新聞) - goo ニュース

何度も書いているが、私は公訴時効の廃止に反対だ。
だいたい、25年捜査して逮捕できないのに、
真犯人がそれ以降に捕まえられる、というのが理解できない。
結局それは、遺族の心を癒すために無実の人が検挙され、
四半世紀前のアリバイなんて証明できる訳がなく、
無実を証明できるものが今更見つけられるはずもなく、
「疑わしきは罰せよ」とばかりに
拷問による自白と状況証拠のみで
「人身御供」として絞首刑にされるようになる、ということではないのか。

法務省が見直す順番もおかしい。
取調を録音・撮影する仕組みや、
取調に弁護士を立ち会わせる制度を作る、などの手を打ち、
冤罪をなくすのが優先ではないのか?
あるいは、「無実でも、とりあえず傷ついた被害者が癒せれば良い」という
国の意思表示なのか?

裁判や刑罰の第一目的が、復讐の代行になっているように感じる。

# 国民の意識もその程度なのだから、それに合わせた、と言われれば
 それまでなのかねえ。
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冤罪は運が悪かった、と思っているんだろ?

2009年07月01日 06時49分39秒 | 法・裁判
「取調室にビデオカメラを」菅家さん、全面可視化を訴え(朝日新聞) - goo ニュース
<クローズアップ2009>取り調べ可視化 一部か、全面か 揺れる法務・検察(毎日新聞) - goo ニュース

今回の事例だと、密室で拷問によって自白を強要され、
結局それが冤罪だと分かった、と言うことなんだから、
単純に「密室」でなくなれば良い、と考えるのだが
それに対して法務省や検察が慎重だ、という構図らしい。
まあ、何なと理由はつけられるわな。

捜査手法を変えなければならない、と言うが、
それも当たり前の話であって、
「自白さえとればよい」という今までの姿勢が安易過ぎたから
適正化する、というだけのことだろう。
それを天地が引っ繰り返るようなことを言われても困る。

いろいろ理由をつけているが、
結局は今までのまま「自白偏重」でいきたくて、
偶々無罪になるのは「運が悪かった」で済ませたいのではないのか?
鹿児島や富山の事件でもそうだったが、
警察や検察、裁判官の言動からは、
「冤罪」に対して
「無辜の人を何年も拘束した」「取り返しのつかないことをした」という
罪悪感を全く感じないなあ。
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自白偏重の警察・裁判所と尻馬に乗るマスコミ

2009年06月10日 22時04分26秒 | 法・裁判
釈放の菅家さんが会見「警察と検察、絶対に許せない」(読売新聞) - goo ニュース

実質無実が判明した今になって、
掌を返すが如く「良かったね」報道が繰り返されているが。

マスコミは被疑者が逮捕されたとき、
警察の大本営発表に乗っかり、
「国民の知る権利」の錦の御旗の下に
無罪推定されるべき被疑者の私生活にまで
泥足で踏み込んで穢しまくったのではないのか?

被疑者の父親を死に至らしめた、
その行為に対する反省はないのか?

結局、冤罪が判明してもそれまでの報道姿勢を振り返ることなどない。

それは、自白を偏重し、
自白を得るために拷問を繰り返す(本当に、懲りない)警察当局や、
密室での手続に疑義のある自白に証拠能力を見出す裁判所なんぞと
同じ穴のムジナではないのか?
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生贄がいれば良いのか?

2009年01月05日 05時42分11秒 | 法・裁判
法務省、時効再延長・廃止を検討 重大事件の被害者配慮(共同通信) - goo ニュース

>「被害者や遺族は一生苦しむのに、加害者に公訴時効があるのは不公平」
この発想に空恐ろしいものを感じる。

公訴時効は、時間の経過とともに証人の記憶が薄れたり、
証拠が得にくくなったりすることに対応する面もある。
時効を延長したり廃止する、ということは、
不確かな証拠を元に裁判をすることになり、
現状の「自白」偏重の流れを加速させ、
冤罪の可能性をさらに高くするものではないのか。
(技術の進歩を考慮すると、「公訴時効の見直し」は、やるべきだと思うが)

「被害者や遺族が苦しむ」状態を、
その苦しむことに直接対応するのではなく(例えばメンタルな部分など)、
「犯人」とされる人物を吊るし上げ、それを叩くことで満たそう、という
(極端な話)生贄を捧げれば良い、というのか?
もしそれが冤罪だったとしたら、
被害者や遺族の苦しみは余計に大きくなるのではないか?
# それとも、とりあえず「犯人」が捧げられたのだから満足するのか?

そしてここで「公平」を持ち出すのは、
結局「殺されたのだから殺す」という、
復讐を正当化する理屈につながっていくように思う。
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延期したら?

2008年12月21日 08時02分07秒 | 法・裁判
暴力団員も裁判員に? 法に規定なし、排除できず(神戸新聞) - goo ニュース

こんな話が今更出てくるのか。
本筋ではないだろうけど。

裁判員制度について、少し様子を見ていたのだが、
まだ日本全体で無作為に候補者を募って、と運用するには
時期尚早に思える。

「国民の裁判への参加」というお題目は正しいと思うのだが、
国民がそれを受け入れる程成熟していない。
(赤紙、って表現が普通に出てくるし)
裁判員を務めることで、社会について考えるようになる面はあるだろうが、
そのために実際の裁判が使われるのは適当ではない。

もう少し、「小さく産んで、大きく育てる」ことを考えるべきだと思う。
まずは希望者から募ってみて、
そこから国民全体に広げていく、とか、
「刑事裁判で量刑も含めて」ではなく、
「事実認定のみ」から始める、とか。
さらに言えば、いきなり「裁判」ではなく、
もっと身近な「議会傍聴のハードルを下げる」とか
「行政の評価に参加する」とか。
いきなり抵抗が大きいところも含めて始めようとして、
総スカンを食らっているように感じる。

この状態で始めても、「国民参加」でやりたかったことは実現できない、
元も子もない状態になるのでは?
いったん白紙に戻して、進め方を考えるべき状態だと思う。

# 謀略論的に見れば、
 今裁判員制度を導入しようとしているのは、
 導入に失敗して、
 国民に「裁判は専門家に任せておけばいい」と思わせて、
 今までのような「閉ざされた法曹」を正当化しようとするための
 大々的な作戦だったりして。
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「私」による復讐が正当化されつつある

2008年12月13日 08時40分36秒 | 法・裁判
最近、被害者が裁判で発言したり、
加害者の出獄に関して被害者の意見を聞いたり、という
話が出てきている。

そしてこれが、さも当然であるかのように思われる風潮に
不気味なものを感じる。
結局刑罰が、被害者の対加害者(と警察に立件された)人の
復讐意識を満足させるものになっており、
裁判も司法も、その代理人になっているのでは、という感覚。
そこには「社会の矛盾」も「犯罪につながった背景」もなく、
「罪を犯しやがった、許せない」という「私情」しか存在しない。

この「私情」は、
最近多発している「誰でも良かった」犯罪者の
幼稚で論理的でない行動と通底するのではないか。
理性による抑制を利かさない、
むき出しの獣性・本能の爆発であることに違いはない。

理性・社会に対する関心の位置付けが低下する中で、
このような私情があたかも「自然」なものとして、
大手を振って認められつつあるように感じる。
しかし、これは社会的生物である人間の「退化」だと思う。
そして、さらにどのような社会につながるのか、と考えると、
空恐ろしい。
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冤罪を考えると去勢はなあ…。

2008年09月27日 11時04分41秒 | 法・裁判
性犯罪者を強制的に去勢へ、ポーランドが刑法改正方針(読売新聞) - goo ニュース

刑罰の種類としては、
「死刑」と同じなのかな、と感じる。
生命かある身体的能力なのか、という違いはあるにせよ。
一度執行されると、
間違っていた、ごめんなさい、と言われても回復のしようがない。
# 懲役刑にしても、
 誤って監獄に放り込まれていた時間を取り戻せる訳ではないから、
 本質的には「回復のしようがない」ことに違いはないのだが。

性犯罪の常習性を考えて
「2度とできなくなるようにしてやる!」という発想は分かるが、
冤罪のリスク、間違っていたときに回復できないことを考えると、
「去勢」という刑罰は賛成できない。
# 「回復する薬を使うまで、使い物にならなくなる薬」などが開発されれば、
 それを投与するのはまだ良い方法だと思う。
コメント (2)
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