この日曜に模試が終わったので(勝手に)一息ついて、
今週は行きたい落語会に行きたい思いのまま通うことになりそう。
昔は「2日続けて行くのはやめよう」とか思っていたのだが、
最近そのあたり、タガが外れているやも知れぬ。
昨日は「雀のおやど」の「つるっぱし亭」へ。
下で待っていると、上から「本能寺」のツケなどが聞こえてきた。
まあ、あまりやっていないネタだろうからなあ。
「天災」(雀太):△
ざこばラインと思われる。(吉朝風ではない)
「ここをドーンと殴って鼻血が2本」を繰り返す。
熊(だっけ)はそれっぽく作っているのだが、どうも薄い。
言うほど「無茶もん」「自分の感情のまま動く」感じでなく、存外おとなしい。
確かに暴力は振るっているのだが、単に手が動いているだけで、
「プチッと切れる」とか、その動きの裏付けになっている感情があまりないよう。
個人的には、そのあたりの感情があった方が、
「その感情を抑えてバカなことを言ってスカタンする」ことになり、
後半のウケが大きくなると思う。
紅羅坊先生が眼鏡越しに熊の顔を見ていくところはクサかったが、面白かった。
小ギャグではあるが。
熊が「分からん」と言っていくあたり、
少し「抑える」感じが強く、あまり盛り上がらなかった。
もっと強く言って「次第にイライラしてくる」方が、
最後「諦めるがな」の転換で効くと思う。
このあたり、平板な印象。
紅羅坊先生は単に穏やかな人ではなく、
昔はやんちゃをしていたのだろう、と感じさせるところがあり、
そこは良かった。
その雰囲気がハラから出て一貫すると、
いろいろ面白いものが出てきそうな気がする。
サゲのあたり、
もう少し科白は整理できそう。
「本能寺」(雀三郎):○-
マクラは昔芝居に出た話など。
OMS、蟷螂襲、「海道一の男たち」など、
私が学生時代に触れたもので、やたら懐かしい。
# OMSの跡地って、
やっぱり今「クロス・ウェーブ」なる研修施設が立っているところなんやね。
週に2,3回はその前通っているわ。
参考:扇町ミュージアムスクエア - Wikipedia
OMSって確か、舞台に柱が立っている劇場じゃなかったかな。
ネタは、まあバカバカしい芝居噺で楽しめた。
最初の幕の扱い(手拭を持つところ)はちと不安。
春永の造型はどうかなあ。
もう少し「国崩し」的な手強さがある方が好みではある。
光秀は出が爽やかで良かった。
真面目な芝居の場面の合間に入るツッコミなど良かった。
「血を見て吸うとトロロ食っているよう」など、本当に。
立ち回りはもう少し大仰に見得をした方が、
イナゴでの転換がもっと効くかな、と思う。
舞台の見づらいこの会場で、
ハメの難儀なこのネタをようやるな、と思った。
「ダンゴマン」(雀喜):△
マクラからして、よう分からん。
この人の口調が緩和一本で、盛り上がっていかない。
内容も、自分の言いたいことを言っているだけで、
あまり聞き手のことを想定していない気がする。
ネタも何がなんだか。
個人的には、話のまとまらなさは嫌いでないのだが。
いろいろウケにつなげられるかも知れない設定があるのだが、
拾わずに進めていく。
例えば「でんぐり返りして変身する」ならば、
最初だけでなく、階段や電車の中でもでんぐり返しして
隣の男に突っ込ませる、とか、
「変身してポーズを決める」ならばそれを繰り返す、とか、
いろいろやりようはあると思う。
「変身しても何も見た目は変わらない」設定なのだが、
個人的には、変身して「ダンゴムシか何かの風体になる」方が
ハチャメチャで面白いと思うけど。
エピソードが3つくらいあるが、
単発で数珠つなぎであり、次第に盛り上がっていく感じでもない。
微妙な言葉遊びでしかない(そういうネタなので、どうしようもない)のも、
その原因ではあるが。
ダンゴムシが大脳にいる、というのであれば、
堅太郎は下ではなく、上を向いて話し掛けるべきだろう。
その方が表情も見えるし、声も聞こえやすい。
後で隣の男が「何を言っているんだ」的なツッコミを入れる時にも
ウケを取りやすいと思う。
サゲは良かった。
全体に、この人、別にウケを取りたくてやっている訳ではないのかも、と感じた。
# ネタ見てないと、
本当に何のこっちゃ分からん感想だな。
「船弁慶」(雀三郎):◎-
喜六、清八、雷のお松さん、
それぞれ存在感があって非常に良い。
技術的なものじゃないよな、こうなると。
最初の清八の出のあたり、
真夏の雰囲気が少し薄かった感じがする。
喜六と清八の会話の間、雰囲気など、素晴らしい。
喜六のイチビリの気がよく出ている。
お松は少しトチリがあった(次の日の科白が先に出かけてしまった)。
立て弁はムチャクチャ速い訳ではないが、
表情付けを濃く、変化を大きく付けて引き込む。
喜六に対する「どこ行くねん」など、
ああ、お松さんは(頼んないけど)喜六が好きなんだな、と感じた。
焼き豆腐も、ノロケを聞く氷屋も面白い。
船に上がってからの「割り前や割り前や」は少し多かったかな。
知盛、弁慶の祈りもウケが来ていた。
それっぽい雰囲気と「遊び」の雰囲気も出ているのが流石だなあ。
【追記】
7月に「雀のおやど」でかかる雀三郎のネタは、けっこう楽しみ。
・8(木)「おおきに"よせぴっ"落語会」
「東の旅(煮売屋・七度狐)」「悋気の独楽」「らくだ」
・31(土)「つるっぱし亭」
「青菜」「蛇含草」「仔猫」「饅頭怖い」
…1日4席、て凄いなあ。
今週は行きたい落語会に行きたい思いのまま通うことになりそう。
昔は「2日続けて行くのはやめよう」とか思っていたのだが、
最近そのあたり、タガが外れているやも知れぬ。
昨日は「雀のおやど」の「つるっぱし亭」へ。
下で待っていると、上から「本能寺」のツケなどが聞こえてきた。
まあ、あまりやっていないネタだろうからなあ。
「天災」(雀太):△
ざこばラインと思われる。(吉朝風ではない)
「ここをドーンと殴って鼻血が2本」を繰り返す。
熊(だっけ)はそれっぽく作っているのだが、どうも薄い。
言うほど「無茶もん」「自分の感情のまま動く」感じでなく、存外おとなしい。
確かに暴力は振るっているのだが、単に手が動いているだけで、
「プチッと切れる」とか、その動きの裏付けになっている感情があまりないよう。
個人的には、そのあたりの感情があった方が、
「その感情を抑えてバカなことを言ってスカタンする」ことになり、
後半のウケが大きくなると思う。
紅羅坊先生が眼鏡越しに熊の顔を見ていくところはクサかったが、面白かった。
小ギャグではあるが。
熊が「分からん」と言っていくあたり、
少し「抑える」感じが強く、あまり盛り上がらなかった。
もっと強く言って「次第にイライラしてくる」方が、
最後「諦めるがな」の転換で効くと思う。
このあたり、平板な印象。
紅羅坊先生は単に穏やかな人ではなく、
昔はやんちゃをしていたのだろう、と感じさせるところがあり、
そこは良かった。
その雰囲気がハラから出て一貫すると、
いろいろ面白いものが出てきそうな気がする。
サゲのあたり、
もう少し科白は整理できそう。
「本能寺」(雀三郎):○-
マクラは昔芝居に出た話など。
OMS、蟷螂襲、「海道一の男たち」など、
私が学生時代に触れたもので、やたら懐かしい。
# OMSの跡地って、
やっぱり今「クロス・ウェーブ」なる研修施設が立っているところなんやね。
週に2,3回はその前通っているわ。
参考:扇町ミュージアムスクエア - Wikipedia
OMSって確か、舞台に柱が立っている劇場じゃなかったかな。
ネタは、まあバカバカしい芝居噺で楽しめた。
最初の幕の扱い(手拭を持つところ)はちと不安。
春永の造型はどうかなあ。
もう少し「国崩し」的な手強さがある方が好みではある。
光秀は出が爽やかで良かった。
真面目な芝居の場面の合間に入るツッコミなど良かった。
「血を見て吸うとトロロ食っているよう」など、本当に。
立ち回りはもう少し大仰に見得をした方が、
イナゴでの転換がもっと効くかな、と思う。
舞台の見づらいこの会場で、
ハメの難儀なこのネタをようやるな、と思った。
「ダンゴマン」(雀喜):△
マクラからして、よう分からん。
この人の口調が緩和一本で、盛り上がっていかない。
内容も、自分の言いたいことを言っているだけで、
あまり聞き手のことを想定していない気がする。
ネタも何がなんだか。
個人的には、話のまとまらなさは嫌いでないのだが。
いろいろウケにつなげられるかも知れない設定があるのだが、
拾わずに進めていく。
例えば「でんぐり返りして変身する」ならば、
最初だけでなく、階段や電車の中でもでんぐり返しして
隣の男に突っ込ませる、とか、
「変身してポーズを決める」ならばそれを繰り返す、とか、
いろいろやりようはあると思う。
「変身しても何も見た目は変わらない」設定なのだが、
個人的には、変身して「ダンゴムシか何かの風体になる」方が
ハチャメチャで面白いと思うけど。
エピソードが3つくらいあるが、
単発で数珠つなぎであり、次第に盛り上がっていく感じでもない。
微妙な言葉遊びでしかない(そういうネタなので、どうしようもない)のも、
その原因ではあるが。
ダンゴムシが大脳にいる、というのであれば、
堅太郎は下ではなく、上を向いて話し掛けるべきだろう。
その方が表情も見えるし、声も聞こえやすい。
後で隣の男が「何を言っているんだ」的なツッコミを入れる時にも
ウケを取りやすいと思う。
サゲは良かった。
全体に、この人、別にウケを取りたくてやっている訳ではないのかも、と感じた。
# ネタ見てないと、
本当に何のこっちゃ分からん感想だな。
「船弁慶」(雀三郎):◎-
喜六、清八、雷のお松さん、
それぞれ存在感があって非常に良い。
技術的なものじゃないよな、こうなると。
最初の清八の出のあたり、
真夏の雰囲気が少し薄かった感じがする。
喜六と清八の会話の間、雰囲気など、素晴らしい。
喜六のイチビリの気がよく出ている。
お松は少しトチリがあった(次の日の科白が先に出かけてしまった)。
立て弁はムチャクチャ速い訳ではないが、
表情付けを濃く、変化を大きく付けて引き込む。
喜六に対する「どこ行くねん」など、
ああ、お松さんは(頼んないけど)喜六が好きなんだな、と感じた。
焼き豆腐も、ノロケを聞く氷屋も面白い。
船に上がってからの「割り前や割り前や」は少し多かったかな。
知盛、弁慶の祈りもウケが来ていた。
それっぽい雰囲気と「遊び」の雰囲気も出ているのが流石だなあ。
【追記】
7月に「雀のおやど」でかかる雀三郎のネタは、けっこう楽しみ。
・8(木)「おおきに"よせぴっ"落語会」
「東の旅(煮売屋・七度狐)」「悋気の独楽」「らくだ」
・31(土)「つるっぱし亭」
「青菜」「蛇含草」「仔猫」「饅頭怖い」
…1日4席、て凄いなあ。