平成28年度の最低賃金が確定しました。
地域別最低賃金の全国一覧 |厚生労働省
最低賃金は、以下の手順で改定されます。
1.各都道府県の労働局長が「地方最低賃金審議会」に諮問する
2.地方最低賃金審議会は「中央最低賃金審議会」が示した「目安」等を踏まえて調査審議する
3.調査審議の結果、労働局長に答申する
4.答申内容を公示を行い、異議がない場合は改正決定される
「中央最低賃金審議会」では、
「平成28年度地域別最低賃金額改定の引上げ目安」として
都道府県をA~Dに区分し、
それぞれの区分ごとに改定額の目安を提示していました。
ランク | 都道府県 | 金額 |
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A | 千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 | 25円 |
B | 茨城、栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、 京都、兵庫、広島 | 24円 |
C | 北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、山梨、岐阜、 奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡 | 22円 |
D | 青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、 徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 | 21円 |
例えば
大 阪:858円⇒883円(+25円)
京 都:807円⇒831円(+24円)
奈 良:740円⇒762円(+22円)
東 京:907円⇒932円(+25円)
北海道:764円⇒786円(+22円)
といったところで、基本的に中央最低賃金審議会の「目安」通りになっています。
また、いくつかの県(兵庫県など)では「目安」以上の引上げになりました。
都道府県によって日付が違いますが、この新しい最低賃金が10月以降に適用されます。
具体的には、「発効年月日」以降に働いた時間に対しては、
新しく適用された最低賃金で計算する必要があります。
今回の最低賃金引上げの特徴の一つは、
全ての都道府県で20円以上(3%前後)が予定されている、ということです。
昨年度も大幅に引き上げられており、今年度はあまり大きくない引上げになるのでは、とも
予想されていたのですが、
予想に反して昨年度を上回る引上げ幅になりました。
安倍政権では「同一労働同一賃金」を目指すことが謳われており、
そこからすると来年度以降もある程度の引上げが求められる可能性があります。
確かに仮に「時給1,000円」としても月160時間労働で月収は16万円にしかならず、
税金や社会保険料の支払いを踏まえて生活上十分か?と言われると
疑問はあります。
ただ事業主として負担できる人件費には限界があり、
このあたりのバランスは難しいところでしょう。
結局は、当たり前の話なのですが、
「最低賃金が上がっても、それに見合った付加価値を上げられる事業になる」のが必要、ということです。
従業員さんが付加価値を高め、その分給与等に反映する。
その給与を受けてさらに従業員さんが付加価値を高める。
このような良い循環を回せるような仕組み・風土作りが必要とされているのだろう、と思います。