クリスマスイブは例年の如く繁昌亭へ。
「姉様キングス」のライブ。
前半は(いちおう)落語会。
「デブのお肉に恋してる」(三金):△+
一部、クリスマスバージョン。
基本的に器用な人だな。
分かりやすい(客が感情移入しやすい)本筋に、
分かりやすいデブギャグを入れてウケをとる、という感じ。
安易っちゃあ安易だけど、まあ、安心して聞いていられる。
あと、自分の感情・理想が入っているのが
このネタの良いところと思う。
女の子の友人が、時に男っぽくなる感じがして、
そこはマイナス。
「船弁慶」(染雀):△
「ずっと冬のネタをやっていたので」ということでこのネタ。
うーん、やはり「暑さ」が感じられないとこのネタは厳しいな。
また、ネタ繰り不足か、トチリ・詰まるところが散見された。
おかみさんは不足。
暑い中、自分も暑さを撒き散らす毒々しさが欲しい。
喜六はまあまあ。
特に船に上がっていろいろ言っていくところは悪くなかった。
源平踊りや知盛の祈りの仕草・音声等は流石。
「居酒屋1969」(あやめ):△-
全体に小さく咳をすることが多く、少し心配になった。
ネタは、「1969年当時に流行ったもの・歌などで名付けたものを並べる居酒屋」の話。
実際に流行った物の説明や、
「それは70年」と拘る店主の描写がポイント。
69年に流行った暗い歌を歌いだすのは面白かった。
個人的には私が生まれる以前であり、
物や歌は知っているが「69年」への拘りはないので
あまり感情移入はできなかったなあ。
一つ一つの名付け方など、よく考えられているとは思うが、
構成としては商品や歌の羅列になってくるので、少し退屈。
後で娘が入ってきてサゲに向かって走っていくことになるが、
この部分は唐突。
自分の感情が籠っているが充分には伝わらず、
アイデアとしては面白いが構成はいま一つ。
まあ、あやめの新作にありがちではある。
それはそれで面白いのだが。
後半が(メインの)色物ショー。
「音曲漫才」(姉様キングス)
都都逸、ストトン節、アホダラ経。
都都逸は普通に面白く。
「ストトン節」は初めて聞いたのだが、まあ、面白い。
繁昌亭などではよく演っているのか、安定していた。
最後は「たつたつ尽くし」のアホダラ経。
きっちり新ネタを入れてくるあたり、流石。
けっこうシモがかっていたような気もするが、最早あまり気にならんな。
「マジック」(小天正)
客席との掛け合い、
尤もらしくしょうもない芸など、素晴らしい色物。
芸を終わった後でポーズをとるのに対して
音が入るのがさらに可笑しかった。
ハンバーガーのネタはよく分からなかった。
あと、終わった後置いてあるメニューが反射して、
他のマジックをやっている際にも目に入ってしまった。
「ゾンビボール」はきっちりしたマジックで、これは初めて見た。
アンコールで「大きなゾンビボール」の芸、
まともなマジックなのかギャグメインなのか少し分かりづらく、
客席の反応もイマイチ。
個人的には「消える500円玉」を見たかったなあ。
「シャンソンショー」
「オーシャンゼリゼ」(アヤメビッチ+ジャクリーヌ)
「エクスタシーいくよくるよ」(アヤメビッチ+ジャクリーヌ)
「ゲストコーナー」
「バラ色の人生」(ジャクリーヌ)
「愛の賛歌」(アヤメビッチ)
「水に流して」(アヤメビッチ+ジャクリーヌ)
「インジャモン・デ・コマンタレヴ」(アヤメビッチ+ジャクリーヌ)
こってりしたデザート。
「ゲストコーナー」は、この日伴奏をしていたフランシー堺の独演。
「れ・みぜらぶるず」でやっている人なんやね。
クリスマスソングのメロディーだった。
個人的には、「右手と左手で別の曲を弾く」など、
もう少しギャグ的要素を入れても良かったかな、と思う。
勿論非常に上手く、満足したのではあるが。
「バラ色の人生」「愛の賛歌」「水に流して」とピアフ特集。
最初の「バラ色の人生」はキツい。
始めの方で、もう少し露骨な単語か、明確に「歌詞を替えている」と分かる言葉を
入れておいた方が良かったかな、と思う。
最初の方で「あなたの腕でいく」など、
「おそらく替え歌なんだろうが元通りとしてもおかしくない」と思われる歌詞があり、
ウケなかったのがちと勿体ない。
まあ、替え歌と分かったところで引かれてウケない可能性は高いが、
それはそれ、だろうから。
「愛の賛歌」「水に流して」も新ネタと思われるが、
歌の出来といい、歌詞の中身といい、素晴らしい。
終演9時半。
充実したクリスマスでありました。
# 舞台の設営で、
黒幕を吊っているのだがそのテープが見えて、不細工だった。
このあたり、少し勿体ないなあ。