一碗

みんなで楽しく、
何でもありのお茶人生・・

台湾の忘れえぬ人

2020-09-09 10:56:07 | 茶学の会
海外、と言っても近回りですが、行っていろんな人に会います。こちらは覚えていても、むこうもこちらを覚えているだろうなと思える人はあまり多くない。

もうずいぶん昔の話です。台湾の茶業改良場でのこと。殆どの方が日本語が達者でした。高さんという方と話をしていたら、自分は来年定年になる、そしたら日本に行って人を探すんだ・・・と。

高さんは、戦時中、台湾大学のある研究室で使い走りをやってたらしい。その時の先生に会いたいが、全く消息が分からないと。

聞いてみたら、なんと、私が教わったことのある林金雄先生! のちに岐阜大学の学長もやられたような・・。で、すぐに連絡を取り、会う段取りをしました。

あれは、麦畑でひばりが鳴いていたから多分初夏のころ、岐阜の郊外にある先生のお宅へ伺いました。

多分、このあたりだと思うところで道を曲がりました。そしたら、むこうの道の真ん中に人が立っているのです。林先生です。高さんも一瞬立ち止まりました。そして、いきなり走り出しました。

二人は抱き合ってしばらく泣いていました。

林先生は、その1,2年後に亡くなられました。

それから、かなりたって、ひとりのご婦人から一通の封書を頂きました。毛筆で達筆。百歳近くになられた林先生の奥様からでした。

あの日のことが書いてありました。先生は、朝早くから何度も道に出て、まだかまだかと待っておられたそうで・・台湾大学当時、高さんは十歳そこそこ。小僧さんと言われてみんなにかわいがられていたそうです。

台湾には、日本人の記念碑があちこちに大切に残されています。私たちも、もっと台湾とのつながりを大切にしなければなりません。

高さんに最後にお会いしたのは十年?近く前・・ 
お元気だろうか・・・

・・


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