◆遺伝子組換えとゲノム編集食品について学ぶ◆
市民レポーターの村上由実です
先日開催された、
令和4年度 食の安全・安心を語る会
「食の知識をアップデート!遺伝子組換えとゲノム編集食品って何だろう?」
に参加しました
参加したきっかけは、以前受講した「食品リスクコミュニケーター養成講座」。
当時全国初の取り組みとして開催された講座で、全13回の講座を受けて
「令和元年度甲府市食品リスクコミュニケーター」
となり、学んだ知識を多くの方々に伝える活動を心がけていましたが、果たして効果があったのかどうか・・・
そういったご縁もあり、今回の講座を受け、食に関する知識をアップデートしたいと考え、参加することにしました。
最初は、1つ目の基調講演として、東洋大学食環境科学部教授田部井豊氏による、
「遺伝子組換え食品とゲノム編集食品の特徴と安全性を解説」
をお聴きしました
こちらでは、
・そもそも品種改良とはどういうものか
・遺伝子組換え技術による品種改良について
・遺伝子組換え作物の安全性評価について
・ゲノム編集技術による品種改良について
・ゲノム編集作物の安全性確認について
等々、通常ならば学生向けの講義で10時間程度時間をかけて話すような内容を、30分に凝縮してお話してくださいました
遺伝子組換えについてはこれまでも何度か耳にする機会があり、多少知識もあったのですが、ゲノム編集技術については初めて聞くような内容も多くありました。
中でも、遺伝子組換え作物の利用には安全性審査が厳しく求められていることに対し、ゲノム編集作物に対しては義務的が規制はないことにとても驚きました。
これを聞いた時には少し不安を覚えましたが、ゲノム編集技術の内容を聞くと、これまで行われてきた品種改良と大幅に変わることはないため、事前相談のみが求められていることにも納得ができました。
続いて、2つ目の基調講演として、サナテックシード株式会社管理部住吉美奈子氏による、「ゲノム編集技術の可能性と活用した食品の具体例や安全・安心に向けた取組を紹介」をお聴きしました。
サナテックシード株式会社さんは、ゲノム編集技術を使って野菜のポテンシャルを引き出す取り組みを行なう種苗会社で、実際ゲノム編集技術を使ったトマトを開発し、それを市場で販売するまでの取り組みについてお話をいただきました。
現時点の規制だと、事前相談のみで販売ができるゲノム編集作物ですが、ゲノム編集技術を施すことによる環境への影響や食品としての安全性、飼料としての安全性等の情報を、日本で初めて農林水産省や厚生労働省に届出し、受理されているとのこと。
そうすることで、消費者の不安感を減らし、少しずつ理解を深めながら販売を行なっているのだそうです。
ゲノム編集技術は、農作物を安定供給する上で不可欠なものであることは理解できましたが、まだまだ認知度が低いため、一般の消費者に容易に受け入れられるにはもう少し時間がかかるような気がしました。
その後は(特非)食の安全と安心を科学する会(SFSS) 理事長の山崎毅氏をコーディネータに迎え、意見交換会。
パネリストには、先ほど講演をいただいた、田部井氏・住吉氏の他に、甲府市食品リスクコミュニケーター代表のお二人。
そして、消費者庁食品表示企画課係長の石田森生氏や、甲府市生活衛生薬務課課長補佐の安岡良訓氏が名を連ねました。
基調講演内で話題に上がった内容を基に、さらに補足をしたり、質疑応答などに応じたり、理解を深めるために大切な意見交換が行われました
正直2時間では足りないと感じるくらい濃厚な時間で、私の知識も少しアップデートできたように思います。
今後は、今回学んだ「新しい知識」も多くの方々に伝えていければと思います
【関連リンク】
- 令和4年度「食の安全・安心を語る会」開催(甲府市HP)
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kenko_zoshin/sekatsueisei/comtor/r4katarukai.html
- 食品リスクコミュニケーター養成講座(市民レポーターブログ 過去ページ)
https://blog.goo.ne.jp/kofu-reporter/e/310132c7a64fd1dedf95ae426e639c20