◆~本と歩こう(28)~◆
こんにちは。市民レポーターの 杉浦玲子 (すぎうら れいこ)です。
存在を知っていても、生の音を聴く機会がなかなか無いのが、蓄音機ではないでしょうか?
今回は10月15日(金)夜に信玄ミュージアム内で開催された、「旧堀田古城園で愉しむ 蓄音機の夕べ」のご報告です♪
「蓄音機の夕べ」は昨秋から開催され、今秋で2回目。
今年度は、1950年代のアメリカン・ポップスを中心にしたプログラムで行われました。
▲会場入り口では映画音楽の名曲「第三の男」がBGMでお出迎え♪
▲レコード5~6枚の演奏につき1回の割合で針を交換
旧堀田古城園は、昭和8(1933)年に開業したという料亭旅館。平成26(2014)年、建物と共に手巻き蓄音機も甲府市に寄付されました。往時の趣向を凝らした風情ある広間は、秋の夜長と蓄音機の雰囲気にぴったり♪♪
蓄音機の音を聴くのは初めてでしたが、まるでライブ演奏のような臨場感があって驚きました!!
上弦の月夜と庭園からの澄んだ空気。深みのある音色に、心も体も満たされるようでした。😊
演奏後、昨年度まで同館の職員だったという、蓄音機奏者の坂本雅哉さんがご挨拶。
「蓄音機の魅力を若い人たちにも知ってもらいたい」という思いで、このイベントを始めたそうです。
今後も定期的に開催して、年代を問わず、蓄音機のよさを伝えてほしいと思います♪♪
右(手前)は、旧堀田古城園所蔵の蓄音機。ポータブル蓄音機で、スーツケースのように収納・携帯可能。
坂本さんのお話によると、「蓄音機は定期的に音を出すのがメンテナンスのコツ」だとか。
ときどき演奏させて、手巻きねじをゆるめておくことも重要だそうです。
蓄音機は音量の調整ができないので、音を出すときは拡声器部分に布団をあてて、家族から苦情が出ないように工夫している、と教えてもらいました。😊
みなさんも機会があったらぜひ、蓄音機の音色にふれてみてください♪♪
~本と歩こう㉘~
★『音楽の肖像』 堀内誠一・谷川俊太郎著 小学館(2020年)
※出版社の許諾を得て表紙画像を使用しています
今回は「音楽の秋」をテーマに本を選びました。
1987年に亡くなった絵本作家の堀内誠一と、現代を代表する詩人の谷川俊太郎による貴重な一冊。
作曲家の人柄や、その時代の空気を表現した肖像画と、それぞれの肖像画に捧げられた詩。
ページを開くたびに、作曲家たちの音楽や話し声が聞こえてくるようで、何度でも読み返したくなる本です。
時を超えて響きあう、二人の芸術家による魂の共演をお愉しみください♪
―取材へのご協力、ありがとうございました―