◆実は6年ぶりの再会でした(「広報こうふ6月号」こぼれ話)◆
市民レポーターの村上由実です。
「広報こうふ」6月号「とびだせ!市民レポーター!」でご紹介した「長禅寺菜」。
今回のブログでは紙面でご紹介しきれなかった内容をお伝えしたいと思います。
今回の取材でお話を聞かせてくださった千野さんファミリーは、甲府屈指の農業エリア右左口町で、農業を行なっています。
右から、正章さん、そしてそのご両親の健さんと勝恵さん。
健さんは中道地区の認定農業者代表兼新規就農者支援会代表であり、勝恵さんは山梨県指導農業士会の理事を務めておられます。
正章さんは私と同年代なので、おそらくご両親は私の親と同じくらいなのではないかと思います。
そうと考えると、まだ第一線で活躍されているのは本当にすごいことです。
そんな中、「長禅寺菜」の栽培を始めたのは正章さんでした。
元々在来種に興味があった正章さんは、江戸時代の書物「甲斐廼手振(かいのてぶり)」にも記されている「長禅寺菜」のことを知っていたものの、栽培したことはなく、今回が初めてのチャレンジでした。
といっても、長年「野沢菜」を育てていたため、同じアブラナ科の「長禅寺菜」の栽培で苦労することはなかったのだとか。
ただ、成長は少しゆっくりなので、収穫量はどうしても少なくなってしまいます。
正章さんは、
「ビジネスベースだと、野沢菜の方が優秀ですね」
とおっしゃっていました。
取材でうかがったのは4月中旬。
収穫最盛期を過ぎた「長禅寺菜」は、そのままグングン成長し、きれいな黄色い花を咲かせていました。
一般的に「菜花」として売られているものは、花を食べるための品種ですが、今回紹介した「長禅寺菜」や野沢菜の他に、小松菜やチンゲン菜、水菜なども黄色い花が咲き、食べることができます。
正章さん曰く、「長禅寺菜」は、菜花と比べると背丈が高く、腰をかがめなくても良いため、収穫はラクなのだそう。
確かに!高いものだと胸の高さほどまで成長していました。
「長禅寺菜」は野沢菜と同じ漬菜としても知られ、漬物としての使い道が主流ですが、正章さんオススメの食べ方は「アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」。
残念ながら収穫最盛期の長禅寺菜はありませんでしたが、花をお土産にいただいたので、春キャベツと一緒に作ってみました。
一般的な「菜花」よりもやわらかく、苦味もマイルドなので食べやすい!
「長禅寺菜」の新たな可能性が見つかったような気がしました。
実は、今回ご紹介した「長禅寺菜」とは6年ぶりの再会でした。
2015年と2016年に山梨県埋蔵文化財センター主催で開催されたイベント「ひらけ!玉手箱」内「長禅寺菜復活祭」で調理させていただく機会があったのです。
あれから口にする機会がなく、その後どうなったのか気になっていたので、今回再会することができてうれしかったです。
今回の取材記事をきっかけに、多くの人に知っていただき、いつか売り場に並ぶ長禅寺菜を見ることができればいいなと思います。
●関連リンク
【Go!Go!市民レポーターが行く】
・2022年6月号・信玄公の母の菩提寺の名がつく甲府の伝統野菜「長禅寺菜」
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/daisuki/reporter/shimin/tobidase/202206.html
【国立国会図書館デジタルコレクション 甲斐廼手振】
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1209124/150?tocOpened=1